東宝、『アナ雪』だけではない好決算の理由 下期には映画版『妖怪ウォッチ』が控える
『アナと雪の女王』(3月公開)の記録的ヒットに沸いた2014年前半の映画業界。ただ、どの大手映画会社もこのヒットを満喫できているかというと、実はそうでもない。
松竹はアナ雪に加え、『超高速!参勤交代』や『ホットロード』など配給作品のヒットを受け、10月10日に2015年2月期の業績見通しを上方修正した(営業利益で46億円→64億円)。だが、昨年4~6月の歌舞伎座こけら落とし公演に伴う3部公演が、今年は通常の2部公演となった影響を補うには至らず、前期比24.5%の営業減益を余儀なくされる見通しだ。
また東映も、2013年にヒットした劇場版『ドラゴンボールZ』や、その関連商品の販売が減少するなど、今期は端境期のシーズン。下期には、モントリオール世界映画祭で審査員特別賞などを受賞した吉永小百合主演の『ふしぎな岬の物語』など期待作が公開されるが、前期比28.2%の営業減益が想定されている。
東宝だけが営業増益に
つまり、松竹も東映も、アナ雪のヒットだけでは前年度の一過性のプラス要素が剥落する影響を埋めきれていない。そんな中、絶好調なのが東宝だ。10月7日には、それまで前期比17.3%の営業減益と想定していた2015年2月期業績予想を、一転して同0.5%の営業増益へ上方修正を発表した。純利益は同11.8%増の198億円と過去最高を更新する見込みだ。
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