ステップワゴン対セレナ、家族向けミニバン対決 新型投入のホンダと豊富なラインナップの日産

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セレナのインテリア全景(写真:日産自動車)

一方、セレナの2列目シートは、新型ステップワゴンと同様に、前後と橫の両方でスライドが可能。内側に横スライドさせれば、最大690mmの超ロングスライドもでき、大人でもゆったりと脚を伸ばせる広々とした空間を実現する。また、3列目シートにも、前後のスライド機構を採用するほか、厚みのあるクッションとゆとりの座面幅で、快適な座り心地を提供する。

加えて、8名乗りのスマートシンプルハイブリッド車には、「スマートマルチセンターシート」を標準装備する。これは、1列目または2列目のいずれかのシート間に設置できるもので、2列目に置けば3名乗車が可能となる。また、1列目にセットすれば、2列目から3列目へのウォークスルーが可能となるなど、マルチに使える小型シートだ。さらに7名乗りのe-POWER車では、2列目の「キャプテンシート」の両側にアームレストも装備する。2列目には、背もたれパッドを装備したゼログラビティシートも装備するため、アームレストと相まって、ロングドライブでも疲れにくい快適性を実現する。

ちなみにセレナの3列目シートは、左右に跳ね上げて収納することができるため、こちらも大容量のラゲッジスペースを確保する。ただし、跳ね上げても荷室内にシートは残るため、3列目が床下収納となるステップワゴンのほうが、より荷物の大きさや量に応じた積載が可能だといえる。

ステップワゴンの価格は未定、発表が待たれる

ステップワゴンのサイドシルエット(写真:本田技研工業)

以上のようにステップワゴンは、とくに室内の使い勝手については、ライバルのセレナに負けない機能性を備える点で、商品力はかなり向上したといえるだろう。あとは価格だが、新型は未公開なので、この点は正式発表を待ちたい。

参考までに、セレナの価格帯(税込み)を紹介すると、257万6200円~419万2100円とかなり幅広い。これは、さまざまなグレードを揃えていることが大きな要因だ。ちなみに先代ステップワゴンの価格帯(税込み)は、271万4800円~409万4200円。もっとも安価なグレードは、セレナよりも安いが、新型の価格設定がどうなるのかも気になるところだ。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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