ステップワゴン対セレナ、家族向けミニバン対決 新型投入のホンダと豊富なラインナップの日産

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セレナのインテリア。写真は、e-POWERハイウェイスターVとなる(写真:日産自動車)

シート素材には、ブラックカラーの合成皮革、立体感と高級感が際立つジャカード織物と丈夫で伸縮性もあるトリコットのコンビシート、トリコットのみの仕様、防止シート仕様など、グレードによりさまざまなタイプが選べる。また、運転席・助手席と2列目左右シートには、中折れ(スパイナルサポート)形状の背もたれパッドを装備した「ゼログラビティシート」を採用。胸郭と骨盤を積極的に支えることで、背骨の負担を軽減し、ロングドライブでも疲れにくいのが魅力だ。

ファミリー層を意識した多彩なシートアレンジ

新型ステップワゴンの2列目シート(写真:本田技研工業)

新型ステップワゴンは、メインターゲットの子育て世代を意識し、シートアレンジのバリエーションを増やしたのも特徴だ。2列目シートは、前後スライドに加え、橫方向のスライド機構も採用する。これは、例えば、小さな子どもを2列目シートに設置したチャイルドシートへ乗せた場合、子どもを乗せたシートをできるだけ前方のセンター寄りへ移動させたほうが、停車中などに運転席から子どもの世話がやりやすくなるためだ。一方、通常は左右シートの間隔ができるだけあったほうが、例えば駐車中などに、運転席や助手席から2列目や3列目に移動しやすいため、橫へのスライドがあれば、さまざまな状況に対応しやすい。

こういった機構は、ライバル車のセレナなどにはすでに採用されているが、先代のステップワゴンにはなく、いわば「ウィークポイントを埋めた」新採用だといえる。新型では、ライバル車の機構も参考にし、2列目シートの橫スライド量を右側で75mm、左側は115mmに設定した。左側の移動量が多いのは、運転席から振り返って2列目に座る子どもを世話する場合、子どもは左側シートに乗せたほうがやりやすく、実際にそうしたケースが多いためだ。

また、前後スライド量もシートをもっとも外側にした場合で610mm、もっとも内側にした場合には865mmと、先代と比べ移動距離やバリエーションを増やしている。なお、新型の3列目シートは、先代と同様に左右が別々に床下収納できるようになっているため、荷物の大きさや形状、量、乗車人数に合わせたアレンジが可能だ。ほかにも、2・3列目シートをフルフラットにし家族でゆったり座れるモードや、3列目を床下収納し、2列目をフルフラットにすることで、夫婦など大人2名がゆったりと橫になれるモードなど、多種多様なアレンジを可能とする。なお、スパーダの2列目には、脚を載せることができるオットマンも装備し、より上質でくつろげる室内空間を演出する。

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