少ないながらも上場企業の女性役員は増加傾向に--2010年は前年比25名増の554名
東洋経済が毎年7月に行っている『役員四季報』調査によると、女性役員数が昨年に比べてやや増加していることがわかった。2010年7月時点で調査したところ、女性役員が1名以上いる上場企業は昨年比20社増の476社、25名増の554名だった。全役員に占める女性役員の構成比も昨年の1.23%から今年は1.33%に増えた。表では全上場会社3672社、役員41642名のうち、女性役員が2名以上いる企業66社を掲載している。
※なお、委員会設置会社で、1名の役員が取締役と執行役を兼務している場合、役職ごとにそれぞれ1名と重複してカウントしている。
日本の女性役員の比率は諸外国に比べると見劣りするのが現状だ。米国ワシントンを本拠地として企業の女性トップ増加をスローガンに掲げる国際NPO「女性取締役インターナショナル(CWDI)」が昨年11月に発表した調査によると、日本のトップ100社のうち、女性取締役の比率は1.4%。首位のノルウェー44%、米国15.2%、英国11.7%などの欧米諸国に大きく水をあけられており、データのある35カ国のなかで最下位グループに属する。とは言え、外部環境の変化や企業の風土改革の重要性が高まるにつれて、徐々に女性役員も増えてきた。
全役員9名のうち5名が女性
上場企業のなかで最も女性役員数が多いのが、乳幼児玩具メーカーでバンダイナムコホールディングス系列のピープルだ。全取締役9名(うち2名が兼務、実数7名)のうち、5名(うち2名が兼務、実数3名)を女性が占めるベンチャー企業。2番目に多いのが、人材派遣大手のパソナグループで、全役員16名のうち4名を女性が占める。京都きもの友禅も15名のうち4名が女性役員だ。3名の女性役員がいる企業は、スポーツクラブ大手のルネサンス、化粧品国内首位の資生堂、家庭用日用品メーカーのエステー、通信教育「進研ゼミ」で知られるベネッセホールディングス、ダスキン代理店最大手のナック、医療事務受託・介護事業大手のニチイ学館だ。