列車窓から異物で目にケガ?体験者が語る危険性 オミクロン株急拡大、電車内の換気は必須だが

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窓を開けすぎると異物が車内に飛び込んでくるリスクが高まる(写真accentor/PIXTA)

東京メトロ東西線の茅場町―門前仲町駅間で、開いた側窓から飛び込んだとみられる異物で乗客が目を負傷するというトラブルがあった。このような場合、どのような対応が必要なのか。また駅係員には、どのような支援を受けられるのか。負傷者の方と東京メトロに聞いた。

このトラブルは2021年9月6日に起きた。茅場町駅を出発し、門前仲町駅に向かう電車に乗車していた青年I氏が、側窓から飛び込んだ異物で目を負傷したのである。

新型コロナウイルス対策で、通勤電車の側窓は基本的に換気のために開けてある。鉄道会社はトンネルを定期的に点検しているとはいえ、パンタグラフと架線がこすれた際に鉄粉が撒き散らされ、それが窓から車内に飛び込むことはありうるだろう。

筆者は負傷したIさんに状況をインタビューした。

普段より大きく開かれた側窓

──トラブル発生時はどのような状況でしたか。

時刻は18時半頃。茅場町駅を出てすぐだったと記憶しています。普段の地下鉄では、側窓が10cmほど開いていたのですが、その日は、30cm近く開いていました。恐らく、乗客が新型コロナウイルスを恐れて「換気をもっとしたい」と考えて、開けたのだと思います。この事件以降、余計に開かれた側窓を見たら、他の側窓と同じくらいまで閉めるようになりました。

事故当時Iさんがかけていたメガネ(Iさん提供)

私は大き目のメガネをしていたのですが、それでも左目に異物が入りました。何かが刺さったような感触があり、激痛が走りました。反射的に目をぬぐおうとしたのですが、同行者のCさんが「こすると目の傷が広がるから、触ってはいけない」と強く制止してくれました。

門前仲町駅に至る車内で、一刻も早く目の洗浄をしよう、という話になりました。そこで次の停車駅である門前仲町駅で電車を降りました。僕は目があまり開かなかったので、Cさんが駅構内図を確認してくれ、トイレまで導いてくれました。トイレで目を洗うと、異物のようなものが流れ落ちたのがわかりましたが、そのまま流れてしまったので、どのようなものかはわかりません。

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