宅配ボックスで露呈 ゆうパックの役所体質
荷受人である客が「スイカの不在票が入っていた。宅配ボックスに入れてほしい」とゆうパック側に伝えたところ、「スイカは生モノ。宅配ボックスには配達しない」と返答。ところが「当日に取り出せば腐らない」と客が主張すると、「それなら入れるが、依頼書を同送するので提出してほしい」と言われた。他の宅配業者からそんな書類を要求されたことはないが、ゆうパック側は「決まりなので文書を提出してほしい」と繰り返すのみだった。
この依頼書の付属文書「ご留意事項」を見ると、このやり取りとの矛盾が明らかになる。まず、生モノは「指定場所」に配達してはいけない荷物だ。それなのに、実際は現場の判断で宅配ボックスに届けようとしている。次に、依頼書の提出を受けて指定場所に届ける決まりなのに、荷物を届けてから文書を提出するよう求めている。そもそも、個人認証のできる電子式の宅配ボックスは06年7月以降、「依頼書は不要」となったにもかかわらず提出を求めている。
ウチは民間とは違う? 現場と本社の遠い距離
日本郵便オペレーション企画本部の宮澤一信集配部長は、「民間ではその都度、電話をして口頭で確認しているが、ゆうパックは文書で一度だけ確認する。確認の仕方が違うだけ。生モノを宅配ロッカーに入れることはない」とさらりと言い切る。「民間」とはヤマトや佐川のことだ。
「文書提出が煩雑という声がある」と聞くと、宮澤部長は「そうした声は本社に上がってきていない」と意外そう。「依頼書を出した途端に、在宅中でも呼び鈴すら押さずに宅配ボックスに入れることもある」と指摘すると、「それは荷受人と包括的な契約をしているケース」という。