《プロに聞く!人事労務Q&A》健康診断の再検査費用を会社が負担しなければなりませんか?
回答者:雇用システム研究所 白石多賀子
労働安全衛生法では、定期健康診断と健康診断結果の労働者本人への通知を義務づけています。
健康診断の結果に異常の所見がある労働者の再検査に対して、会社が再検査を実施することを義務づけてはいませんので、当然に費用負担は発生しません。
また、再検査に要する時間の賃金も支払う義務はありませんが、会社は労働者に対する安全配慮義務を負っていますので、再検査に行く時間の配慮は必要です。
■労働安全衛生法による一般健康診断
労働安全衛生法では、1年以内ごとに1回、定期に実施する定期健康診断が求められています。
一般健康診断の費用負担は、労働安全衛生法上、会社に実施義務が課せられていることから会社が負担すべきとされています。
また、健康診断の受診時間に要した時間の賃金の支払いについては、「事業者の負担すべきものではなく労使協議して定めるべきものであるが、労働者の健康の確保は、事業の円滑な運営の不可欠な条件であることを考えると、その受診に要した時間の賃金を事業者が支払うことが望ましい」(1972.9.18 基発602号)としています。