ネット通販市場は小売りの20%、60兆円に 急拡大する「eコマース」の衝撃(上)
また、ハンドメイドECも伸びている。既成商品にはない手作りの良さ、品質の高さが受けており、米国Etsyが火付け役となった。売り手と買い手をつなぐCtoC型のプラットフォームが多く、日本ではCreemaが先駈けだ。ハンドメイドといっても商品の出来映えはみなプロ顔負けの力作が多く、いかに腕のいい作り手(売り手)を集められるかが、プラットフォームとして試される。
さらに、Pinterest、FANCYといった著名人が推薦する画像キュレーションECも高い評価を受けている。最近はSNSを活用して実際にプレゼントを贈るソーシャルギフトも人気だ。ローソンやLINEもこの市場への参入を進めている。
そのほか、EC市場で忘れてはならないのがBtoBだ。経済産業省の『電子商取引に関する市場調査』によると、13年の狭義BtoB-EC市場(インターネットを介した企業間のEC)は186兆3040億円に達している。
EC化比率20%へ、今後50兆円のEC市場が創出
前年比10.4%増と、ビジネス環境でのEC化は加速している。EC化率も17.9%。これは効率性を求めるビジネスの現場ゆえの高さで、BtoC-EC場を圧倒する。中でも、注目はスーパーデリバリーやモノタロウといった、メーカーと小売店・事業主を結ぶBtoBのプラットフォーム企業の成長だ。さらに最近は、CtoB(個人対企業)-ECという新市場も生まれてきた。個人が企業向けにサービスや商品を提供する形でのEC事業だ。
今後も成長が続くEC市場。最近は地方活性化策の一環として、地域の産業を日本全国や世界に売り込む手段として、ECが注目されている。昨年10月に「eコマース革命」を打ち出したヤフーでは、「日本の将来的なEC化率は20%がターゲットライン」(小澤隆生・執行役員ショッピングカンパニー長)と、現状の6倍増の市場成長を見込んでいる。
小売りサービスが現在、全体で約300兆円なので、将来は60兆円市場になるという試算だ。つまり、現在の11兆円を差し引くと残り約50兆円が今後市場に創出される。これを、現状のリアル市場分野に置き換えると、農業、漁業、卸・小売り、製造業などの約50万事業者が新たにEC市場へ進出することになる。
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