かつお節、和菓子…老舗が本気で海外目指す リクルート出身のベンチャーが水先案内人に

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
「イベントに持って行ってそれで終わり、ではいけない」と説く林社長

 「クールジャパン」などともてはやされる日本文化や伝統的な商品だが、「実際のビジネスとなるとお寒い状態だ」と林社長は解説する。というのは、多くの企業では英語を話せる人材が乏しく、現地で継続的に販売する体制を構築できていないからだ。

「展示会に参加して帰って行く。持ってきた商品は隣のブースの人などに差し上げておしまい。以降は何も続かない。それだから、日本との取引に期待していた相手国の企業は、不満がたまっている。最近では、本気でない企業ならば連れてくるな、という声すら上がっている」(林社長)。

このままではまずいというものの、老舗の中堅中小企業が海外で販売体制を整えるのは至難の業だ。そこでトータルの支援を買って出たのが、林社長のスターマークである。シンガポールに本拠を置く同社は、香港やベトナムに子会社を設立。日本法人は東京と京都に事務所を擁している。

シンガポールに続き、中国でも本格展開へ

同社ではすでに、シンガポールを含む東南アジアや中国、香港などで、「工芸品(塗のiPhoneケース、手ぬぐい、人形など)や食品(だし、抹茶、和菓子)などを販売している。シンガポールに続き、今後は中国でも、日本企業の販売促進を目的としたイベント開催に参画していく。「2017年には日本での売り上げを超す状況を作りたい」と林社長は意気込む。

人口減少による国内市場規模の縮小は、海外に足場がない企業にとって死活問題だ。「それだけにグローバル展開こそ、老舗企業の生き残りのためにも不可欠」(林社長)。スターマークはその水先案内人の役目を買って出ようとしている。

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事