なぜ「味ぽん」はパスタソースを買収したのか 創業210年、初の中埜家以外のトップが世界に挑む

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
ミツカンの長谷川社長(左)と中埜会長

「味ぽん」を主力商品とするミツカンホールディングス(愛知県半田市)は5月22日、世界的な食品大手ユニリーバからバスタソースブランド「ラグー」「ベルトーリ」を2000億円を超える金額で買収すると発表した。創業210年の老舗は、創業家以外から初の社長を就任させる体制刷新を図ったばかり。大胆な改革でグローバル企業への脱皮を進めるという。

買収ブランドの年商6億ドル

「ラグー」は北米の家庭用パスタソースとしてシェア25%のトップブランド、高価格帯商品の「ベルトーリ」はシェア8%で全米4位、両ブランド合わせた売上高は約6億ドル(2013年)に上る。

日本ではなじみが薄いが、パスタやパンが主食のアメリカの食卓ではパスタソースが欠かせず、特にヒスパニック系のアメリカ人向けに今後も需要拡大が見込めるという。ミツカンはユニリーバの子会社、米コノプコ社が保有するケンタッキー州とカリフォルニア州のソース工場などを含めたブランド事業を、21.5億ドル(約2150億円)で譲り受ける契約を21日に結んだ。

イギリス、オランダを本拠とするユニリーバは、日本では石けんやシャンプーのイメージが強いが、クノール(日本では味の素グループがライセンス生産)や紅茶のリプトンをはじめ、食品を中心に400以上ものブランドを抱える。ただし、近年はその整理統合が図られており、今回の売却もその戦略の一環。ユニリーバ北米本社はミツカンとの契約について「われわれの食品事業の焦点をよりはっきりさせるためのものだ」とコメントしている。

次ページ1804年創業の老舗
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事