多忙でも健康な人のすごい「メリハリ術」 激務の40代を支える健康法
「安いところと高いところが好きなんです。中間にはあまり興味がない。人目を気にせず好きなことをすることで、一番リラックスできます」
健康を保つための今後の課題は、ずばり酒量だ。多額のお金が動く緊張感ある仕事のため、ついついお酒でストレス発散しがち。ストレスフリーな酒量の減らし方を目下、思案中だ。
自転車通勤で空を見る
多忙な人は「健康づくり」のために特化した時間をつくることが難しい。独自のストレス発散法や考え方、時間の使い方を通して、日常生活の中で体調を整えている。ドワンゴのエンジニア、岩城進之介さん(41)が活用するのは「通勤時間」だ。
自転車通勤歴はかれこれ10年になる。自宅から会社まで片道約6キロ、社屋が現在地に移転する昨年7月までは約10キロの道のり。空を見上げながら寝そべって自転車をこぐ。背もたれ付きのシートに仰向けにもたれかかった状態でペダルをこぐ「リカンベント」が愛車だ。
「自転車に乗っているときはスマホもパソコンも見ないでしょ。頭を空っぽにしてひたすらこいでいると、一切の情報から解放されて、気持ちも体も完全にリセットできる」
仕事では、ニコニコ動画のライブハウス「ニコファーレ」のイベントを企画。プロ棋士とコンピューターが戦う「将棋電王戦」のシステム開発にも携わる。一日じゅう社内にこもってパソコンと向き合うこともある。
「自転車で通勤すると朝はすっきりした頭で出社し、夜は走りながら仕事の頭を切り替えることができる。街灯と街灯の間を何回転でこげるかが、体調のバロメーターにもなっています」
仕事も趣味も体調管理も「関心のあることはとことん楽しむ」のが信条。愛車に出合ってからは、片道10キロ程度であれば自転車で出かける。
1日の最長走行記録は、東京─埼玉・長瀞間往復の約250キロ。休日には、息子(7)と娘(3)用に自転車とカートを後ろにつなげ、3人で近くの公園内をサイクリングすることもある。
「子どもと一緒に自転車でお散歩できるシステムを開発してみました(笑)」
自転車が自身の健康づくりのみならず、子どもと触れ合うツールにもなっている。