AKB48メンバーが憲法を“ガチ”で学んだ! アイドルが真剣に取り組んだ「憲法本」

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――最後に「憲法主義」はどんな人に読んでもらいたいですか。

内山: とても手に取りやすい本なので、これまで憲法にまったく興味がなかった方など、いろんな方に読んでいただきたいです。これを読めば、憲法について「通」っぽく語れるようになると思いますよ。

共著者の南野森教授が語る憲法本の意義

提供:PHP研究所

――今回の出版で意図したこととは?

南野: 安倍政権が集団的自衛権をめぐる閣議決定に突き進む過程で、憲法に関する議論は活発になったが、憲法についての理解は乏しいと感じていました。アイドルと組んで若い人などにも関心を持ってもらえたらよいと思い、この企画を受けました。

憲法はそもそも国家権力を縛るものだということを考えると、これまでの政府も認めてこなかった集団的自衛権を解釈の変更で認めるのは「解釈改憲」にあたり、あまりにも重大すぎる。

――AKB48は知っていましたか。

南野: 正直、アイドルやAKB48についてはよく知りませんでした。ですが、内山さんは呑み込みが早く、とても高校生(当時)とは思えない理解力と思考力で、鋭い質問や意見をたくさん投げかけてきました。おおまかな講義の流れだけを頭の中で決めて、実際の講義は完全に台本なしで行いました。内山さんの受け答えは、すべてその場で彼女自身から出てきたものです。講義ごとに彼女はノートを取り、レポートを提出してくれました。それらは本文中に採録されていますが、しっかり各講義の内容や論点が整理できていて、驚きました。

――『憲法主義』が今までの憲法関連書籍と違う特徴は?

南野: 内山さんとの熱気に満ちたやり取りのおかげで、普通の教科書ではあまり扱わないような、少し上級者向けの論点にもうまく触れられました。「違憲審査制」について、違憲判決が増えればそれでうまくいく、というわけではないことなど、一般的な教科書には書かれていないものの見方も盛り込んでいます。

わたしがもっとも理解してほしいと思う、「憲法の本質」を語り尽くせた仕上がりになったと思います。

8月23日には同書の発刊記念として、出版社主催の公開模擬授業を開催。南野教授や200人ほどのファンの見守る前で内山さんはパワーポイントを駆使した、プレゼンテーションで「憲法裁判所を設置すべき」という一大提起をして、一同を驚かせた。「憲法アイドルとして、AKB48を活性化できれば」と茶目っ気たっぷりに微笑む内山さんの今後の活動に期待したい。
竹内 一晴 ジャーナリスト

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たけうち かずはる / Kazuharu Takeuchi

1970年名古屋市生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。大手芸能事務所、CS演劇専門放送局プロデューサー、写真週刊誌専属記者等を経て2004年からフリー。報道・表現の自由、大学自治、韓国社会事情、カラオケ、アイドル等の記事を執筆。田島泰彦編『個人情報保護法と人権―プライバシーと表現の自由をどう守るか』に論稿掲載。48グループの推しメンは松井珠理奈(SKE48)、注目株は山田菜々美(AKB48・Team8)だが、全メンバーを公平に見ることをモットーとする。

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