2018年までにGDPを1.8%追加引き上げ G20会合終了後の共同声明全文

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3.先進国における金融政策は、引き続き経済回復を支えており、中央銀行のマンデートと整合性を保ちつつ、必要な場面ではデフレ圧力に適時に対処すべきである。我々は、幅広く強固な成長の達成を目指しており、これは先進国における金融政策の将来的な正常化を促進する。我々は引き続き、我々の行動について適時に明確なコミュニケーションを行い、政策の在り方を調節し直す際には、世界経済への影響に留意する。我々は、特に、金利が低く資産価格の変動が小さい環境下において、金融市場に過度のリスクが蓄積する可能性に留意する。我々は、これらのリスクを注視し、今後とも、リスクを管理する上での最善の対応であるマクロ経済政策、構造政策、金融規制・監督政策の枠組み、及び他の補完的な施策の強化、及び我々の G20における為替相場のコミットメントの遵守を続ける。我々はまた、グローバルなセーフティ・ネットが引き続き有効であることを確保する。

 

4.我々は、引き続き、債務残高対 GDP比を持続可能な道筋に乗せつつ、経済成長と雇用創出を支えるために、短期的な経済状況を勘案して機動的に財政戦略を実施する。我々は、成長に対する我々の財政戦略の貢献を高めるために、政府支出や税の構成及び質の変化について検討することに合意する。

 

5.投資は需要を増加させ、成長を引き上げる上で重要である。本日、我々は、良質な投資、特にインフラへの投資を増やす、グローバル・インフラストラクチャー・イニシアティブ(GII)に合意した。イニシアティブは、プロジェクトと潜在的な投資家とを結び付けることを助けるための、知識共有のプラットフォームの構築、データ不足への対処、各国のデータベースとつながったインフラプロジェクトの統合データベースの構築を含む、複数年にわたるインフラの課題の実施を目指す。またイニシアティブは、民間部門の参加を呼び込むための我々の努力の中心となる、投資環境の改善に向けた我々の成長戦略の主要な施策を含む。我々の成長戦略の実施に当たっては、適切なリスク管理を維持しつつ、公的バランスシートの最適な活用を含め、良質な公共及び民間投資の支援を目指す。我々は世界銀行グループ、地域及び各国の開発銀行にバランスシートを引き続き最適に活用するよう慫慂する。イニシアティブ実施のための仕組みは11月に我々の首脳により公表され、既存の能力と組織を最大限に活用する。このイニシアティブを支えるため、我々は、良質な投資、特にインフラへの投資を促進し優先順位付けするための一連の自発的なリーディング・プラクティスについて合意し、モデル文書の準備も含め、それらの実施に向けた効果的なアプローチを策定する。これは、合意された G20/OECD 原則の実施、新たな効果的なアプローチと関連のチェックリストの自発的活用などを通じ、機関投資家からの長期資金を促進するための我々のこれまでの取組を補完する。更に、中小企業向けも含め、ファイナンスを促進するための、証券化市場の透明性や機能を改善する取組が、現在進行中である。我々は、新興国や途上国において良質なインフラ投資を引き上げるため、開発銀行と民間部門との間の協調に向けたプラットフォームを提供する、グローバル・インフラストラクチャー・ファシリティを設立する世界銀行グループの取組を歓迎する。

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