「ギリシャは2年内にデフォルト」の見方は悲観的すぎる−S&Pデビッド・ビアーズ氏に聞く
−−長期的にもギリシャがデフォルトに追い込まれることはないのですか?
「ある」とも「ない」とも言えます。短期的には国際通貨基金(IMF)による資金繰り支援も同国には追い風です。しかし、対GDPの政府債務残高の比率好転などには4~5年かかるでしょう。となると、厳しい財政緊縮策を長期にわたって実行に移す必要があります。超緊縮財政の先には明るい展望が開けてくるということを政府が国民に説明できる能力があるか否かが問われているのです。マーケットの見方は短期的ですが、われわれは長期的な視点からとらえています。
−−ポルトガル、スペイン、イタリアなどへ伝播する可能性は。
マーケットが見ているほど悲観的には考えていません。危機が政治を変えたからです。スペインは労働市場改革などを通じた財政支出削減に本気で乗り出しました。今回のストレステストに関しても、「しっかりやろう」と他国に呼び掛けました。こうした変化が重要なのです。ユーロ参加各国とIMFによる金融のセーフティーネットの存在も支えになるでしょう。
−−ハンガリーの格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」へ引き下げました。
同国に対して金融支援を実施したIMFならびに欧州連合(EU)とオルバン政権との間で意見対立が起きています。同政権の銀行税導入にIMFやEUを反対するなど、両者の隔たりが大きくなっています。
(聞き手:松崎泰弘=東洋経済オンライン)
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