ドル急騰、1ドル108円を突破 FRBのより速い利上げペース見通しで
[ニューヨーク 17日 ロイター] - 17日のニューヨーク外為市場では、ドルが急騰した。特にドルは円に対して6年ぶり高値水準に上伸した。
米連邦準備理事会(FRB)は連邦公開市場委員会(FOMC)の声明で、資産買入れ修了後も事実上のゼロ金利政策を「相当な期間(considerable time)」維持するとの文言を残し、労働市場にはスラック(緩み)があるとの懸念を表明した。一方、同時に公表された経済・金利見通しで、前回6月に示されたよりもより速いペースでの利上げが見込まれていることが明らかになり、ドル買いにつながった。
ドル/円
ユーロ/ドル
FRBが公表したFOMC参加者の見通しでは、2015年末時点の金利は中央値で1.375%、2016年末は2.875%で、前回6月の1.125%と2.50%からそれぞれ上昇した。またFOMC参加者17名のうち14名が来年金利が引き上げられと見込んでおり、前回の12名から増えている。
BNPパリバ(ニューヨーク)の通貨ストラテジストのバシリ・セレブリアコフ氏は「ドルは、高くなった金利見通しに反応している」とし、「FOMC声明はかなりハト派的だったが、市場は、前日の段階ですでに(ハト派的要素を)織り込んでしまっていた」と指摘した。
FRBの経済見通し全般としては、失業率は下がり続けるとの楽観的見通しが示されたが、今後数年の成長率(GDP)見通しややや悲観的な内容だった。
ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズ(ワシントン)のシニア・マーケット・アナリストのジョー・マニンボ氏は「重要な点はFRBが来年利上げを行うかどうかではなく、いつ行うかということだ。引き続き、金融引き締めなどは全く行われそうにない、ユーロ圏や日本の状況と対照的だ」と語った。
今回の会合では、ダラス地区連銀のフィッシャー総裁とフィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁の2人が、金利に関するガイダンスは将来、より急な引き締めが必要と判断された場合に政策の足かせになるとの理由で、反対票を投じた。
そのほかの米経済指標では、米労働省発表の8月消費者物価指数(CPI)は、昨年4月以来のマイナスとなる前月比0.2%の低下となった。
ドル/円 終値 108.34/36
始値 107.31/32
前営業日終値 107.12/14
ユーロ/ドル 終値 1.2864/66
始値 1.2959/60
前営業日終値 1.2959/61
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