大陸内の統合を加速させ「アフリカ合衆国」目指す--ジャン・ピン アフリカ連合委員長

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大陸内の統合を加速させ「アフリカ合衆国」目指す--ジャン・ピン アフリカ連合委員長

アフリカは今年、17カ国が独立した「アフリカの年」から50年目に当たる。初開催のワールドカップを成功させ、経済成長も今年4%台と、次の新興市場としてがぜん注目を浴びる。その一方で貧困・紛争問題を抱え、持続的成長への不安材料も多い。足元の課題と今後の展望について、ジャン・ピン アフリカ連合(AU)委員長に聞いた。

--アフリカ初のワールドカップ開催の意義と成果を、どのように受け止めていますか。

アフリカ大陸の全員が、W杯を開催できたことに誇りを感じている。アフリカ以外の国々は、アフリカにそんな主催能力は絶対にないと、懐疑的に見ていた。ところが、ご覧になったとおり、設備しかり、セキュリティしかり、非常に組織だった運営ができた。すべてが最高の成功だったと思う。

そもそも、オリンピックやW杯を開催すること自体、決して簡単な作業ではない。どこの国々でも、さまざまな困難に直面する。次回のW杯開催地のブラジルですら、開催地を変えたほうがいいのでは、との声が上がっているほどだ。高速道路、宿泊施設、スタジアムの建設など、われわれアフリカ大陸の人間に、その能力があることを証明した。

--アフリカ経済はリーマンショック以降の経済危機の影響から、回復を遂げようとしています。

強調したいのは、危機の責任はアフリカにはないということだ。アフリカはつねに(政治・経済の)運営がずさんであると非難されてきたが、今回運営が悪かったのはアフリカを批判していた人たちではないか。

彼らはアフリカに投機的な資金を呼びこみ、カジノのような振る舞いをした。つまり、われわれの命や貴重な天然資源を賭けて、あたかもカジノで賭博をしているかのような状況をつくった。その結果、アフリカ経済は悪影響を受けた。

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