大陸内の統合を加速させ「アフリカ合衆国」目指す--ジャン・ピン アフリカ連合委員長
だが、今年の実質GDP成長率(サハラ以南地域)は4・7%の見込み(IMF予想)。うち13カ国では来年、6%超と予想されている。中国やインドといった高い成長率には及ばないが、それに準ずる伸びだ。われわれは小さい力ではあるが抵抗し、欧州よりも早く回復できたのだ。
--資源・エネルギー輸出での成長が大半だと思いますが、1次産品以外で成長している国は。
天然資源は、もちろん重要なファクターだが、石油資源が一滴も出ないエチオピアでも、来年は7・7%の成長が見込まれる。主に農業分野で急成長を遂げている国だが、ダムや道路建設などインフラ投資も進んでいる。内陸国というハンデを負いながらも、うまくやっている。ほかの国でも、こういった事例は見られる。たとえば、ウガンダは石油があるが、まだ開発されていない。それにもかかわらず6・4%の経済成長を来年予想している。
--今後は、海外からの直接投資(FDI)を伸ばし、あるいは工業製品の輸出を増やすことが求められます。さらなる経済発展のため、アフリカが克服すべき課題とは。
FDIの拡大は必須だ。現在、南アフリカを除いたアフリカ諸国のFDI残高総額は、シンガポール1カ国と同程度にすぎないからだ(2009年)。また、他地域との貿易拡大も不可欠。今日、アフリカは世界貿易の3%を占めるにすぎない。あまりにも低い数字だ。
投資と貿易を増やすためには、アフリカ大陸で生産する製品の付加価値を高めていかねばならない。現地で製品を加工すれば、単なる鉄鉱石や1次産品の輸出よりも、輸出・輸入両国を利することになるだろう。大型タンカーで資源を輸出し、搬送途中の事故で海洋汚染を引き起こす危険を冒すよりも、むしろ現地で加工して製造したほうがいい。