トヨタのEV戦略を訝る人がたまげた隠し技の衝撃 2030年までにBEV30車種、350万台販売計画の神髄

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ちなみに「bZ4X」をこれらのモデルと一緒に見ると、センターに位置するモデルであることがよくわかるだろう。

続いてレクサスの4台だ。やはり注目は「レクサス・エレクトリファイドスポーツ」だろう。LFAのDNAを継承した新たなブランドの象徴として、0→100km加速2秒前半、航続距離700km、全固体電池搭載も視野……など、ポテンシャルもスーパーだ。現時点では純粋なコンセプトのようだが、低い車高、ロングノーズのデザインを崩さずに量産化されるか楽しみだ。

レクサス・エレクトリファイドスポーツ(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

「レクサス・エレクトリファイド・セダン」は低いノーズ/クーペのようなフォルム/サイズ感などから、次期ISに見えるのは気のせいではなさそうな予感。「レクサス・エレクトリファイドSUV」は、bZラージSUVの兄弟車のように見えるが、RXの上に位置するクロスオーバーのフラッグシップモデルだろう。

「レクサス・エレクトリファイド・セダン」(上)と「レクサス・エレクトリファイドSUV」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

そして、「レクサスRZ」はUX300eに続くBEV第2弾となるモデルだ。発表会ではステアリングを握る豊田章男社長の映像が公開され、驚きの声と笑顔が走りのよさを物語っており、正式発売が待ち遠しい限りである。

「レクサスRZ」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

ただし、「トヨタ、電動方針を転換!!」でもない

そして、最後は多種多様な7台のモデルだ。「クロスオーバーEV」はハリアーと同サイズながらもスポーティでグラマラスなデザインが特徴。既存のラインアップには後継モデルは見当たらず、もしかしたらウワサされているクラウンSUVなのか!?

「クロスオーバーEV」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

「コンパクトクルーザーEV」は見てわかるように、ランクルシリーズの末っ子といった印象で、会場でも評価が高かった1台。「スモールSUEV」はよーく観察すると次期C-HRのように見えるかもしれない。

「コンパクトクルーザーEV」(上)と「スモールSUEV」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

「ピックアップEV」はタコマ(北米専売)がベースのようだが、フロントマスクはEVらしい出で立ちで優しい印象。「スポーツEV」はMR2復活を思わせるようなフォルムとフロントにさり気なくGRバッジが装着されているのが気になるところだ。

「ピックアップEV」(上)と「スポーツEV」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

「マイクロ・ボックス」は愛嬌あるルックスが注目されがちだが、唯一の黄色ナンバー(=軽自動車枠)でダイハツと共同開発なのか? 「ミッド・ボックス」は商用EVの提案だが、何と全幅は1.7m以内に収まっているなど、クイックデリバリー後継モデルとしての素質も!!

「マイクロ・ボックス」(上)と「ミッド・ボックス」(写真:トヨタグローバルニュースルーム)

このようにEVフルラインアップを公開したことで「トヨタ、電動方針を転換!!」だと思っている人もいるが、それも正しくない。「選択肢は狭めない」との方針は今後もまったく変わらず。つまり、トヨタにとってのBEVは「いくつかあるパワートレインの1つ」という認識なのである。

次ページ豊田章男社長はBEVが好きなのか? 嫌いなのか?
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