アメリカの多数派工作は東南アジアで成功しない 経済安保での米中対立で劣勢強いられるアメリカ

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2021年12月9日、アメリカ主導の民主主義サミットで参加国とオンラインで議論するアメリカのバイデン大統領(左)とブリンケン国務長官(写真・2021 Bloomberg Finance LP)

国際政治の基調になっている米中対立は、中国が「核心利益」とみなす台湾から新疆ウイグル自治区の人権問題や、「民主か専制か」の「綱引き」まで様々な舞台で展開されてきた。次の舞台として注目されるのは、アメリカが劣勢を強いられている東南アジアだ。バイデン政権が間もなく打ち出す「経済安保の新構想」を軸に、アメリカと中国が火花を散らすだろう。

相次ぐアメリカ閣僚の東南アジア歴訪

バイデン政権は2021年夏から、主要閣僚が東南アジアを歴訪する重点外交を繰り広げた。まずオースティン国防長官は7月、シンガポール、フィリピン、ベトナムを歴訪し、続いてハリス副大統領も8月ベトナム、シンガポールを訪問した。これに対し王毅・中国外相も9月半ば、ベトナム、カンボジア、シンガポールを訪れ「対抗」に出た。11月には、レモンド商務長官がオーストラリアとマレーシアを歴訪した。目的は、環太平洋連携協定(TPP)に代わる、バイデン政権が準備する新たな経済枠組み「経済安保協力の新構想」を説明し、「地ならし」するためだった。

2021年内最後にはブリンケン国務長官が12月半ば、インドネシアとマレーシアを歴訪した。12月14日に行ったジャカルタでの演説では、インド太平洋地域への関与を強化する安全保障戦略を説明し、「地域に1兆ドル(約114兆円)超の直接投資を行う」と約束した。インドネシアとマレーシアは、中国との経済的結びつきが極めて強い。両国ともアメリカ、イギリス、オーストラリアの新安保同盟「AUKUS(オーカス)」に対し「核拡散と軍拡競争を加速する」と懸念を強めており、中国の影響力切り崩しが訪問の目的だった。

東南アジア諸国連合(ASEAN)は、ベトナム、フィリピンなどが南シナ海で中国と領有権紛争を抱えながらも、バイデン政権が迫る「民主か専制か」「アメリカか中国か」の踏み絵を嫌っている。「理念」より経済的な「実利」を重視する傾向が強く、ブリンケン氏が投資を持ち出したのは、経済を軸にした関与政策を意識しているためだろう。

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