「自己肯定感高い人と低い人」幼少期の決定的な差 誕生後2年間でそれぞれに起きていること
また、子どもに愛情をたっぷり注ぐ親でも、子どもの願望を必要に応じて拒まなければなりません。とくに、歩けるようになる1歳のころには、子どもは親からいろいろな行動を禁じられたり、制限されたりします。
たとえば、おもちゃを壊さないようにしなさい、花瓶に触れてはダメ、食べ物で遊ばないように、などです。子どもは、そのたびに自分が何か間違ったことをしてしまったと感じ、なんとなく「自分はダメだ」と思うようになるのです。
「誕生後2年間」で感じたことが重要
子どもにとってつらいのは、親が子どもの教育やケアを重荷に感じ、子どもを怒鳴りつけたり、ひっぱたいたり、ほったらかしにしたりする場合です。幼い子どもは、親の行動の良し悪しを判断できません。幼い子どもにとって、親は間違ったことをしない偉大な存在なのです。
たとえば、父親が子どもを怒鳴りつけたり、ひっぱたいたりしたときに、子どもは「パパは自分の攻撃性を調整できないんだ。パパには心理療法が必要だな」とは思いません。「ひっぱたかれたのは、自分がダメな子だからだ」と思います。その子どもが言葉を覚える前だったらなおさら、自分が本当に悪かったのだろうかと考えることは一切できず、単に自分はしかられていて、自分が悪い、間違っているとしか感じません。
私たちは、誕生後の2年間で感じたことによって、自分が基本的に愛されているのか、そうではないのかを学び取ります。この時期の子どもへのケアは、まずは食べ物を食べさせ、身体を洗い、おむつを替えるといった身体のケアで始まりますが、この身体ケアでとても大切なのは、「なでること」です。子どもは、親のなで方やまなざし、声のトーンから、自分がこの世界で歓迎されているかどうかを感じ取っていくのです。
この誕生後の2年間は親の行動に頼るしかない時期であるため、この時期に基本的信頼感もしくは基本的不信感が生まれます。基本的信頼感が育まれた人は、意識の深いところで、親に対する信頼感だけでなく、自分自身に対する信頼感も持っています。これは、親以外の他者を信頼するための前提条件になります。
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