わずか3日で激変「オミクロン」に襲われたNYの今 市中感染でよみがえる感染爆発「悪夢の記憶」

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ブロードウェイのミュージカルの多くは9月に上演を再開したが、それもつかの間。今では出演者やスタッフが検査で陽性となり、公演数時間前に中止となるケースが相次いでいる。

ニューヨーク大学は、クリスマスシーズンのパーティーから卒業式に至るまで「不要不急」の集まりをすべてキャンセル。期末試験もオンラインで行うよう強く推奨した。コーネル大学は、ワクチン接種率がほぼ100%だったにも関わらずイサカ・キャンパスで1週間に900人を超える陽性者が出たことから、同キャンパスを封鎖した。マンハッタンのミッドタウンで行われるホリデーパーティーや出社再開の予定を撤回したり、対面での会議を中止したりした会社も多い。

データによれば最もリスクが高いのはワクチン未接種者だが、このことは接種を完了しているニューヨーカーにとって、ほとんど慰めとはならない。接種完了者がブレークスルー感染を起こし、心待ちにしていた計画が泡と消える光景を繰り返し目にしているからだ。

ワクチン接種済みの友人が次々と感染

購入したばかりの家庭用検査キットの袋を持ってマディソン・スクエア・パークに座っていたニュースクール大学の教員サラ・ガンチャーは、「文字どおりコロナのことで頭がいっぱい」と話した。ワクチン接種済みの友人のうち8人がその週に検査で陽性になったという。「本当にやるせないし、心配。ブロードウェイが閉鎖された日と同じような気分を、またしても味わっている」

家族や友人の感染リスクに頭を悩ませる日々の再来だ。外出するか、ステイホーム(家にとどまる)か。外出先には誰がいて、そこには重症化リスクの高い人はいるのか。その人たちはワクチン接種を済ませたのか。しかし、ブレークスルー感染がこれだけ起きているのに、誰が接種済みかを気にする意味など本当にあるのか——。そんな疑問が人々の頭の中を駆け巡っている。

不安が去って日常が戻ってきたと安心したら、さらなる感染が襲ってきてマスク着用に逆戻り。こうしたコロナ疲れは、知事室にも及んでいる。いつこれが終わるのかと問われたキャシー・ホークル知事は16日、深く息を吸い込み、両手をこすり合わせ、空を見上げてから、無理やりつくったような笑顔とともに、こう答えた。

「『これがいつ終わるのか』という質問に答えられる人はこの世にはいないし、私にもわからない」

(執筆:Michael Wilson, Sharon Otterman, Lola Fadulu, Ashley Wong)
(C)2021 The New York Times Company

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