わずか3日で激変「オミクロン」に襲われたNYの今 市中感染でよみがえる感染爆発「悪夢の記憶」

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1日当たりの平均感染者数が1万600人を突破したニューヨーク州の感染状況は、どの州よりも深刻だ。ペースは比較的ゆっくりしているとはいえ、入院も増加傾向にある。ニューヨーク市の検査陽性率は12日時点で7.8%と、前週9日の3.9%からわずか3日で倍増。当局と同様に住民の間でも警戒感が高まっている。

ニューヨーク州の新規感染者数は16日に1万8276人に達し、1日当たりの感染者数としては少なくとも1月以来で最多となった。うち8300人以上がニューヨーク市に集中している。ただニューヨーク市の入院患者数は約1000人と、凄惨を極めた2020年4月の第1波の1万5000人に比べれば、まだかなり低い水準にとどまっている。

スタッフの感染で店は強制シャットダウン

オミクロン株の重症化リスクがどの程度なのかは、まだ明らかになっていない。科学者たちはワクチンにはなお重症化を防ぐ効果があると考えており、暫定データが示唆するところでは、ブースター接種には感染予防効果を引き上げる効果が期待できる。

他州の感染状況も悪化する一方だ。コネティカット州の新規感染者数は1日当たり平均で2600人を突破し、11月初めの約330人から急上昇。ロードアイランド州は全国で最も速いペースで感染が増えている。ミシガン、インディアナ、オハイオ、ペンシルバニアの各州では、新型コロナによる入院患者数が過去最悪のレベルとなっている。

ほんの数週間前までは在庫があり余り、買い物客がほとんど関心を示さなかった家庭用検査キットも、売り切れとなる店が出始めている。ニューヨーク州知事室は16日、希望する住民の自宅に検査キットを送付する仕組みを作る計画を発表した。

新年が近づく中、ニューヨーク市のあちこちで社会活動が後退し始めている。中には営業を休止する飲食店もあるが、これは市の要請によるものではない。スタッフが感染したり、濃厚接触者になったりしたうえ、さらに補充人員も確保できず、営業不能な状態に追い込まれているのだ。

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