「説明がヘタな人」が知らない話の組み立てのコツ 「結論から話す」でスベっていませんか?
「結論から話そう!」。そう、いわゆる「結論ファースト」と言われる話し方があるが、それは本当に正しいのか? むしろ、しっくりこなかった経験をしたことのある人も多いのではないだろうか。
元・カリスマ予備校講師で、現在、東京大学大学院で「認知科学」をベースとした研究も行う犬塚壮志氏によれば、「結論ファースト」で話し始めることで、逆効果になる場合もあるという。
ここでは、犬塚氏の新著『説明組み立て図鑑』から、説明の目的やシチュエーションに合わせた「組み立て方」をキーワードに、「結論ファースト」でうまくいかないケースやその理由について紹介する。
なぜ、「結論ファースト」一辺倒の説明は失敗するのか
物事をわかりやすく伝えるための技法としてよく言われている「結論ファースト」。相手が知りたい結論から伝えるというこの「結論ファースト」ですが、結論から話してもうまく伝えられなかったという経験はないでしょうか?
「結論から話すと、〝そもそも、それ、何についての話?〟のように、上司や同僚によく言われてしまうんです……」
説明のスキルアップ研修に参加している受講生の方からこの手の相談をよく聞きます。この原因はどこにあるのでしょうか?
実は、この原因は、説明の目的やシチュエーションに合わない「組み立て方」をしてしまうことにあります。目的とは、「なぜ、説明を行うのか?」、「説明することで何を達成したいのか?」です。シチュエーションとは、制限時間や場所、説明相手の属性や持っている知識のことで、説明の「制約」と考えることができます。
こういった目的やシチュエーションを考慮しないままに、「とりあえず、結論から話そう」と安直に説明し始めてしまうことで、説明する本来の目的を達成できないことがあるのです。
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