「紙の年賀状」にいまだこだわる人が見落とす視点 日本郵便が“LINEねんが"をスタートする中で

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コミュニケーションツールが増えた結果、「密な人はより密に、疎遠な人はより疎遠に」という傾向が顕著になりました。その意味で、紙の年賀状が「常識」と思っている人はコミュニケーションの絶対数が減るリスクが高いのです。

「スルー」「じまい」「卒業」の人が続出

紙の年賀状にこだわる人の危うさで忘れてはいけないのは、「周囲の人々にプレッシャーをかけてしまう」こと。なかでも、少なからず「何で返さないの?」と不満を抱く人は要注意であり、冗談でも「(紙の)年賀状くれないよね」などと言うと、「つき合いづらい人」という印象を与えかねません。さらに、「紙の年賀状を出さないから」という理由で、つき合いを絶とうとする人もいますが、これはツールの普及した現代では乱暴な行為であり、人間関係が先細りになっていくだけでしょう。

また、盲点となるのが、周囲の人に「私のところは出さなくてもいいから」と言っておいたとしても、受け取った側は「紙で送ることを押しつけられている」「本当は送ってほしいんでしょ」などと思ってしまうこと。相手のことを考えず、「送りたい」という自分の気持ちを優先させると、どうしても相手に負担を感じさせてしまうのです。

なかでも、「毎年、元旦の朝にきっちり届ける」というきっちりとした人は、相手に「私もそれが可能な25日までに出さなければいけない」というプレッシャーを与えがち。あわただしい12月に、会社なら他の仕事を止めさせ、プライベートなら自分のために時間を割くことを暗に要求しているようなニュアンスを感じさせてしまうのです。

もしあなたが「紙の年賀状を出すだけで、そこまでプレッシャーを与えないのでは?」と思っているとしたら要注意。コロナ禍に突入する前の2019年12月、メディアやSNSなどで「年賀状スルー」というフレーズが飛び交い、賛同の声が集まりました。

これはその少し前に注目された「忘年会スルー」から派生したフレーズで、「むしろ年賀状のほうをスルーします」とSNSで宣言する人が続出していたのです。さらに、この年の年賀状に「今年で最後にします」と書く「年賀状じまい」「卒業年賀状」も流行しました。

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