ちなみに「炭水化物」「糖質」「糖類」にはそれぞれ違いがあります。「炭水化物」は、体内でエネルギー源となる「糖質」と、ほとんど消化吸収されない「繊維質(食物繊維)」に分けられます。「炭水化物=糖質+繊維質(食物繊維)」ということです。
さらに「糖質」は、砂糖などの「糖類(単糖類、二糖類)」と、「でんぷん(多糖類)」に分かれます。「糖質=糖類(砂糖など)+多糖類(でんぷん)」と考えるとわかりやすいと思います。私たちがよく口にする「糖分」とは「糖類」のことです。
10年ちょっと前ぐらいから、「糖質制限」という言葉を非常によく聞くようになりました。
いわく、日本人はご飯やパン、麺類など「糖質のとりすぎ」であり、これを大幅にカットすることで、肥満解消・ダイエットができ、さらに糖尿病をはじめ、さまざまな生活習慣病を予防することができるというものです。
糖質を減らすこと自体は素晴らしい食事法だと思いますが、添加物を知り尽くす私が、自分の立場から訴えたいのは、「糖質制限をしているつもりでも、意外なところに盲点がある」ということです。
それは、私たちは知らない間に「糖質」をとってしまっている可能性があるのです。「隠れ糖尿病」「隠れ高血圧」などという言葉がありますが、まさに「隠れ糖質」。それと気づかずに糖質をとってしまっているのです。
「50グラムの糖類」をいっぺんに飲み干す子どもたち
その最たるものが「清涼飲料水」です。もちろん商品にもよりますが、たとえば500ミリリットルの清涼飲料水には「50~60グラムの糖類」が含まれるものもあります。砂糖に換算するとコップ半分ほど、スティックシュガーで数えたら17~20本分にもなります。
ジュースばかりではありません。子どもがよく飲む「スポーツドリンク」にも、かなりの糖類が入っているものが少なくありません。500ミリリットルのペットボトルには20~30グラムほど、スティックシュガーでは7~10本ほどの糖類が含まれているものもあります。
スポーツをやっている男の子などは、この2リットルサイズのボトルをごくごく飲み干してしまいます。2リットルを全部飲んだら、摂取する糖類は100グラムにも及んでしまいます。いくら運動でカロリー消費するからとはいえ、ちょっと恐ろしいほどの量です。
WHO(世界保健機関)は1日の「糖類」の摂取量の目安について、「1日にとる総エネルギー量の10%、できれば5%未満に抑えることが望ましい」というガイドラインを出しています。1日の摂取カロリーを2000キロカロリーとして計算すると、10%の場合、砂糖に換算して50グラム、5%では砂糖25グラムとなります。
500ミリリットルの「ジュース」を1本飲んだら、それだけで「1日の摂取の目安」をオーバーしてしまうことも少なくないのです。
ましてや2リットル入りの「スポーツドリンク」を飲み干す子どもは、2日分の糖類をいっぺんに飲んでしまっている計算になります。
つまり、お米などの主食を控え「糖質」を減らしているつもりでも、「糖質=糖類(砂糖など)+多糖類(でんぷん)」なので、清涼飲料水やスポーツドリンクなどを常飲して「糖類」を大量に摂取していると、結果として、そうとうな「糖質のとりすぎ」になってしまうのです。
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