拙著『食品の裏側2』でも述べたことですが、私たちの体は「塩分」「油分」「糖分(糖類)」のとりすぎに対して、もともと「防衛本能」を持っています。しかし添加物は、この「防衛本能」をたやすく崩してしまう魔力をもっているのです。
「50グラムの砂糖水」をごくごく飲める理由
『日本人の舌を壊す「黄金トリオ」の超ヤバい正体』でも述べたように、添加物の力を借りれば、大量の「塩分」「油分」が入った食品が「おいしい!」と思えるものに変わってしまう。この「添加物のマジック」が「糖分(糖類)」に対しても言えるのです。
試しに、50グラムの砂糖を500ミリリットルの水に溶かして飲んでみてください。甘すぎて飲めたものではありません。「こんなに砂糖をとったら体によくないぞ」という危機感がもたげます。
私はよく講演のときに、この「砂糖水」をその場でつくって試飲してもらうのですが、みなさん「こんなの甘すぎて飲めない」「体に悪そう」と顔をしかめます。
ところが、この砂糖水に「クエン酸などの酸味料」を入れ、「香料」で香りをつけ、「着色料」で色をつけると、あら不思議、「おいしいジュース」に早変わりです。
再び試飲してもらうと、「あっ、おいしい!」「いつも飲んでいるジュースの味だ」などという声が上がります。これが「添加物の魔力」なのです。
こういう「隠れ糖類」が多く入っているのはジュースやスポーツドリンクばかりではありません。注意すべき「隠れ糖類」は、ほかにもあります。
たとえば、もちろん商品によっても違いますが、「乳酸菌飲料」や「缶コーヒー」、あるいは「栄養ドリンク」などにも、かなりの糖類が入っているものも少なくありません。
「今日は疲れたから栄養ドリンクを飲んでおこう」「缶コーヒーで眠気を覚まそう」と、何気なく飲んでしまうその1本が「糖類のとりすぎ」をもたらしてしまう可能性があるのです。
コロナ禍のリモートワークでついつい、こうした清涼飲料水を飲む機会が増えたという人もいるのではないでしょうか。
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