日経平均株価の運命を決める1週間がやってきた 「移動平均線の束」を抜くことはできるのか

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しかし、この間発表された11月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス空室率は6.35%と、10月に比べ0.12ポイント下落した。空室率が下がるのは実に1年9カ月ぶりのことで、新型コロナウイルスの本格的な拡大後、初めてのことだ。

緊急事態宣言解除から2カ月あまり、警戒された冬が来ても感染爆発は起こっていない。少なくとも現在、コロナウイルスを抑え込んで、実体経済は元の姿を取り戻そうとしている。

オミクロン型コロナウイルスに対する警戒も厳重で、ある程度の国内侵入はあっても、パンデミック(大流行)にまで進むとは思えない。さらに、9日発表の11月マネーストックM3(月中平均残高)は、前年同月比3.6%増の1527兆4000億円と過去最高を記録し、10月の1522兆円から予想外に5兆4000憶円も増加した。

このように、日本の需給相場の好環境は変わっていない。やはり9日発表された10~12月期法人企業景気予測調査も、大企業全産業の現状判断は9.6%と、7~9月期実績の3.3%や、そのときの10~12月期見通し6.8%を大きく上回っている。

需給・業績とも日本株の環境は悪くない。目先は「移動平均の束」による抵抗にあっているが、早晩束を上抜いてアメリカ株を追い、出遅れを取り戻すと思っている。

市場最高値のS&P500種指数が意味すること

そのアメリカ株だが、金融政策に大きく影響する指標として注目されていた10日の11月のCPI(消費者物価)は前年比+6.8%と、10月の+6.2%を上回り、39年ぶりの高い伸びとなった。

だが、世界の投資家のアメリカ株投資のベンチマーク(目標とする基準)となっているS&P500種指数は前日比44.57ポイント(1.0%)高の4712と、11月18日以来の史上最高値更新という答えを出した。

アメリカ株には、テーパリング加速化やその後の利上げが控える金融事情を見据える高値警戒感があり、高水準の「空売り」がたまっている。それが、逆に下げれば「買い戻し」が入る需給バランスの中で、下げにくい相場を作りだしている。

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