日本企業が理解すべき「物流での競争が不毛」の訳 自前の物流が本当に他社との差別化になるのか

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企業にとって物流で競争することがいい戦略なのでしょうか(写真:千和/PIXTA)
EC市場の急拡大によって、物流現場の人材不足・高齢化の深刻度は増している。その解決策として業界ごとに物流を束ね、共同配送や受発注・決済、トレーサビリティーなどさまざまな機能をつけ加えた「次世代物流プラットフォーム」の構築を提案するのが、コンサルティング大手アクセンチュアの北川寛樹氏だ。今や物流は「競争領域ではなく、非競争領域だ」と言う。
いったい、どういうことなのか。新著『テクノロジー×プラットフォームで実現する 物流DX革命』を上梓した北川氏が解説する。

複数社の物流を1つにまとめたほうが効率的

現在、企業が個別に物流網を持つのではなく、業界別にどの企業でも使える「物流プラットフォーム」の構想が進んでいる。この新しいプラットフォームの活用により、企業は物流だけでなく自社の経営、ひいてはサプライチェーン全体を劇的に改善できるうえ、無駄な企業間競争に労力を費やす必要がなくなる。

例えば、メーカーが小売店に商品を納める場合、小売店からの発注内容(期日、数量)に従って届けるわけだが、配送に関して他社と差別化できる要素はあまり見当たらない。同じ納品先に届けるのであれば、個別にトラックや倉庫を手配して別々に商品を納入するより、複数社の物流を1つにまとめたほうがはるかに効率的だ。

企業には当然、「競合他社に負けたくない」という意識がある。そのため、ライバル企業が納品先からの厳しい要求(例えば、発注翌日納品)に対応しているとわかれば、自分たちも負けじと対応しようとする。業界全体が成長している時代は、その部分で多少無理をしてコストがかかってもほかで取り戻せるので、トータルでは利益を確保できた。

しかし、経営環境が激変する中、特に成長が鈍化していたり、縮小に転じていたりしている業界では、ほかで取り戻す余裕がなくなってきている。

そうした業界では、「なんでもかんでも競争」ではなく、「競争領域」と「非競争領域」をしっかりと見定めて戦略を考え、行動すべきだろう。

成長市場でなければ、納品先企業への製品の配送、受発注や決済といった物流の基本機能は「非競争領域」に当てはまることが多い。

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