もてぎが「モビリティリゾート」に改名するワケ ホンダ直系施設のビジネスモデルに大きな変化

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その象徴として、日本初の大型オーバルコースとロードコースを立体交差させるという、世界でも類を見ないツインコース(リンク)が誕生することになったのだ。

筆者が、ツインリンクもてぎの工事現場を初めて訪れた際、関係者が「今お立ちの場所が、レース中の順位を示すタワーの真上です。ここから約30メートル下まで掘っていき、その土でコース周囲を盛り上げることで、大きなすり鉢状の建造物になります」と話していたことを思い出した。あれからもう、30年近くの月日が流れている。

「森」をテーマにする原点回帰

こうしてアメリカンモータースポーツ推しで始まったツインリンクもてぎだったが、残念ながら日本ではオーバルレースの認知度はなかなか高まらず、2011年でインディカーレース開催の終了が決まった。また、東日本大震災の影響で、2011年は急遽、ロードコースでのインディカーレース開催となった。

一方で、2004年から定常的な開催となった2輪車の世界的レースである「MOTO GP」を中心として、バイクユーザーにとっての「聖地」というイメージの強化も進めた。2010年代に入ってからは、モータースポーツ以外の事業として、ファミリー向けに森をテーマとしたアトラクションの拡充も行っている。

ハローウッズには自然を肌で感じることができるさまざまなアクティビティがある(筆者撮影)

そもそもツインリンクもてぎには、2000年から里山を段階的に開拓した「ハローウッズ」というエリアがあり、森の散策や熱気球を体験するイベントを開催していた。

それが、キャンプブームや今でいうSDGs(持続可能な開発目標)という観点から、ファミリー層の自然環境に対する意識が高まり、「ツインリンクもてぎとしての、もともとのコンセプトを見つめ直したことで、ハローウッズ(というエリアの考え方が)打ち出しやすくなった」(ツインリンクもてぎ広報担当者)という。

取材にご対応いただいた株式会社モビリティランド ツインリンクもてぎ広報宣伝催事課・課長の宮崎昌道氏と上野一郎氏(筆者撮影)

2016年には、当時まだ日本でなじみの薄かったグランピングを導入。今では、週末の予約はかなり先まで埋まってしまう人気スポットとなった。2021年7月からは、新たに大型のロータステントを採用したエリアを拡張し、合計約30カ所でグランピングと楽しめるようになっている。

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