20400型への改造にあたって、編成は4両に短縮。車体のラインカラーもそれまでの茶色から、日光線・鬼怒川線を走る蒸気機関車「SL大樹」をイメージした濃紺に黄色を加えたデザインに変えた。冬の寒さなどの対策として、東武では初めてドアを個別に開閉できるボタンも取り付けている。車内もドア上に液晶の案内装置を取り付けるなど、新車同様にリニューアルした。
これらの点は全車に共通しているものの、実は20400型は改造元の車両によってさまざまな違いがある。とくに目立つのは、かつての「5扉車」を3扉に改造した車両だ。
4つの複雑なバリエーション
改造の元になった20000型は、導入時期によって3つのタイプがあった。全車が3扉の20000型と、車体の形は同じだが制御システムが異なる20070型、そして日比谷線の混雑対策として編成両端の2両ずつを5扉にした20050型だ。
20400型は、単に8両編成から4両を外したのではなく、これらの車両を複雑に組み替えて4両編成につくりかえた。このため、実は4つもバリエーションがある。両端の先頭車が元5扉車だった「21430型」、中間の1両だけ元5扉車の「21440型」、そしてもともと3扉の車両だけを組み合わせた「21410型」と「21420型」だ。後者の2タイプは見た目がほぼ同じだが、もとの車両が全部20070型か、20000型と20070型の組み合わせかの違いで形式を変えているというから、なかなかややこしい。
東武鉄道「20400型」
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20400型の前面
(記者撮影)
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20400型は日比谷線乗り入れ車だった
20000型を改造した車両だ(貴社撮影)
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窓下には濃紺、ドアの横には黄色のラインが入る
(記者撮影)
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2編成並んだ20400型。左は「21410型」で
右は「21440型」だ(記者撮影)
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元から3扉だった車両の側面
(記者撮影)
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5扉車を改造した車両の側面。ドアの跡がわかる
(記者撮影)
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左が5扉車改造車、右がもともと3扉の車両
(記者撮影)
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元5扉車はドアがあった部分を埋めて窓を設けている。
かつてのドアの枠が残っている(記者撮影)
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かつてドアだった部分は隙間なく埋められている
(記者撮影)
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元5扉車はドア開閉ボタンの配線の関係で
窓も一部(写真左側)を埋めた(記者撮影)
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ドア開閉ボタン設置のために改造した窓(左)と
元からの窓(右)。大きさの違いがわかる(記者撮影)
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もともと3扉の車両にも違いがある。クーラーのカバーが
3つに分かれているのは20070型の改造車(記者撮影)
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クーラーのカバーが一体になっているのは
20000型の改造車。中身は同じという(記者撮影)
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パンタグラフは中間車のうち1両に2基搭載
(記者撮影)
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雪に強いシングルアームパンタグラフ
(記者撮影)
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行先表示器の隣に残る「日比谷線直通」の
プレートがあった跡(記者撮影)
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改造時にライトはLEDに変わった
(記者撮影)
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ロービーム状態のヘッドライト
(記者撮影)
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ハイビーム状態のヘッドライト
(記者撮影)
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車体の上隅に設置している「出発監視カメラ」
(記者撮影)
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鹿との接触を防ぐための「鹿笛」(中央の黒い部品)も
設置している(記者撮影)
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鹿笛は人間に聞こえない音を発して
鹿との接触を防ぐ(記者撮影)
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もともと3扉だった車両の室内
(記者撮影)
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5扉車を改造した車両の室内。窓の形が違う
(記者撮影)
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もともと3扉の車両はドア間が10人がけのシートだ
(記者撮影)
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5扉車改造の車両はドア間が9人がけだ
(記者撮影)
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もともと3扉の車両は車端部が3人がけのシート
(記者撮影)
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5扉車の改造車は車端部が4人がけだ
(記者撮影)
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20400型への改造時にフリースペースも設置した
(記者撮影)
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シートの柄は最新の日比谷線乗り入れ用車両
70000型と同じデザイン(記者撮影)
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5扉車改造車の特徴的な戸袋窓。5扉時代は
この窓の両側がドアだった(記者撮影)
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5扉車改造車のドアだった部分。シートを外すと
このようになっている(記者撮影)
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窓の隙間から入る雨水を流すための工夫が見られる
(記者撮影)
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かつてドアだった部分の吊り革は撤去したが
パイプの跡は残っている(記者撮影)
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東武初採用の個別ドア開閉ボタン
(記者撮影)
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ドアは改造時に取り替えた車両とそのままの車両がある
(記者撮影)
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運転台の機器類は改造時に一新した
(記者撮影)
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ワンハンドルマスコンは特急「リバティ」と
同じ形の部品を使っているという(記者撮影)
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運転席の窓上にある「出発監視カメラ」のモニター
(記者撮影)
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カメラの映像は向きを切り替えることもできる
(編集部撮影)
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元の車両を製造した東急車輌(現・総合車両製作所)と
改造したメーカーのプレート(記者撮影)
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今はなき「アルナ工機」が製造した車両もある
(記者撮影)
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車両の連結面にある「アルナ工機」の銘板
(記者撮影)
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6050型(左)と並んだ20400型
(記者撮影)
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20400型は22編成88両を導入する
(記者撮影)
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20400型の「1両1両に思い出がある」と語る
車両管理所主任の泉川友彦さん(記者撮影)
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