デジタル資産「NFT」熱が急速に高まる本当の理由

コンテンツ・権利の「流通革命」

NFTビジネスはIPビジネス

NFTビジネスは日本も含め、世界中で盛り上がっている状況です。そんな中、日本には「ポケモン」や「遊☆戯☆王」をはじめ、世界トップクラスの版権・IP・コンテンツがたくさんあります。つまり、いま世界中のNFTビジネスのプレイヤーが日本のIPに注目しているわけです。

たとえば、ブロックチェーンゲーム「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」や「F1® Delta Time(F1デルタタイム)」で知られる香港企業のAnimoca Brands(アニモカ・ブランズ)は香港にあるサンリオ・デジタルを2021年はじめに買収したほか、Dapper Labsも日本のコンテンツの獲得に向けて活発に動いています。

日本のプレイヤーはそんな獲得競争に勝たなければいけません。テクノロジーへの理解や法的な整備は海外のほうが一部早かったりします。でも、せっかくコンテンツ大国という地の利があるのですから、負けてしまったらあまりにもったいない。その意味でも日本は、法的な整備を含め、NFTビジネスへの理解を加速する必要があるのです。

そうした動きを加速する起爆剤は、やはり日本人なら誰でも知っている超人気コンテンツや大物アイドルがNFTビジネスに参入することでしょう。ヒットしているとはいえ、CryptoKittiesでさえブロックチェーンゲームをやっている人しか知らない。それでは起爆剤になりえません。あくまでも最上位はIPです。それを活用する手段がNFTであり、ゲームやトレーディングカードといった利用用途なのです。IP事業者を含め、NFTビジネスのプレイヤーは、何の価値に対してどんなNFTを設計するか、またそれは本当に価値があるNFTなのかということを本質的に考える必要があるのです。

NFTが活用できるビジネス領域はとても広いですし、成長のポテンシャルも大きいことは明白です。たとえば、ブロックチェーンゲームはゲームの価値を変えつつあります。早晩、ゲームは単なる遊び道具ではなく、アイテムなどのNFTを売ってお金を稼ぐ仕事道具になっていくでしょう。実際、フィリピンの事例ですが、Axie Infinity(アクシィインフィニティ)というゲームで一日中プレイして2万円ほど稼ぎ、生活の手段にしている人たちも出てきています。

NFTによってアートの流通も変わっていくでしょう。その変化は、リアルの作品にひも付けたNFTとデジタルで完結するNFTに分けることができます。

リアルのほうでは、所有権などの証明書をNFT化することによって流動性が高まり、作品の価値が上がりやすくなるはずです。また、これまでは転売されたときにクリエイターに一切還元されなかった利益を、NFTの「追跡」の機能によって、転売のたびにクリエイターに還元されるようにすることも可能です。

デジタルアートのNFTは新しい分野なので、そういう仕組みを容易に組み込めます。さらに絵画的なものに限らず、新しい技術を使った作品がどんどん出てくるでしょう。また、作品の相場や真贋を判定する「鑑定士」のようなサービスも登場するはずです。

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