母たちは、「罪悪感」から逃れられるか?

周囲の”雑音”との付き合い方を考えよう

病院と自宅とを毎日2往復しながら、考えに考え、私がようやく出した結論。それは、「今日は辞めるのをやめよう」ということでした。明日はどうなるかわからないけれど、とりあえず、今日は仕事も付き添いも頑張る。どうしても難しければ明日考えよう、今日辞めるのをやめるということを1日ずつ積み重ねていくだけでいいじゃないか、そういう結論でした。

将来のことをくよくよ悩んでも仕方ない。こういう選択をしたらこういう結論になる、とはっきりわかっていないことを考え続けても意味がありません。私たち家族が最も「普通に」暮らしていける選択をしよう。そして、そんな当たり前の毎日に感謝の気持ちを持ち続けていきたい。そう思えたら、すごく気落ちが楽になりました。

あれから1年余りが経ちます。子どもは定期的に通院しながらも、元気に保育園に通っています。いつ再発するかひやひやしてはいますが、私も自分の仕事を始めて、なんとか頑張っています。そして、「今日1日は……」という心持ちは今も変わっていません。子どもの病気が与えてくれた貴重な気づきだったと思っています。

”雑音”を突き止めて、心から追い出す

私の経験はちょっとヘビーすぎるかもしれず、あなたとは違うかもしれませんが、あなたも「子どもを犠牲にして仕事しているのではないか」と、とても苦しく思っているのですよね。周囲の声に振り回されて一喜一憂してしまう自分にも気づいている。

あなたは仕事を辞めないはず、と先ほど言いましたが、仮にあなたが仕事を辞めると考えてみましょう。将来、「好きな仕事を辞めてまで、そばにいたのに」と、子どもに対して思ってしまう可能性はない、と言い切れるでしょうか。もしそうなったら、もっと苦しむことになるはずです。

他人からの心ない言葉なんて、どこまででもついてくるのです。専業主婦になって、今度は「ずっと子どものそばにいたのに、見ていなかったのか」とか、「働いている人の子どもでもあそこまでできるのに」とか、いろいろと言われてしまうことだって容易に想像がつきます。そのときまた、あなたは自分の選択を責めることになってしまうかもしれない。

だとすれば、仕事にも育児にも懸命に頑張る姿は、きっと子どもに伝わっていると信じて、まずは「今日だけ辞めるのをやめる」という心持ちでいきましょうよ。多くの働く母たちが乗り越えたように、きっとあなたも乗り越えられるのではないかしら、と私は思います。

余談になるかもしれないけれど、周囲の雑音が気になるときというのは、目の前のことがあまりうまくいっていないときだったりしませんか? 仕事のこと、家族のこと、子どものこと、うまくいっていないことやネガティブな気持ちになる大もとをちゃんと突き止めて、それそのものを解決するのが先決のような気もします。それこそ、子どもに逃げてはいけません。

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