10代女子を拉致から救ったTikTok「助けてサイン」 監禁中の車内から送ったシグナルから通報へ
ローレル郡保安官事務所の報道官ギルバート・アチアードによると、少女とブリックは「知人」ではあったが、親戚関係にはなかった。調べに対し少女は、ブリックにノースカロライナ州、テネシー州、ケンタッキー州、そしてブリックの家族が住むオハイオ州に連れて行かれたと話している。
少女が未成年で、失踪届が出されていることをブリックの家族が知ると、ブリックは家族のもとを去ったという。オハイオ州から南に移動しているときに、少女はほかのドライバーの注意を引こうとハンドシグナルを使い始めた。
コロナ禍の家庭内暴力が誕生のきっかけ
どれくらいの人がそれを目にしたのかは不明だとアチアードは話した。保安官代理が車を停車させたとき、少女は保安官代理に向けてシグナルを送っていたという。
「この合図を知っている人間は私たちの中にはいなかったと思う。しかし今では、その意味を確実に理解している」とアチアードは述べた。
ブリックは少女が単にほかの車に手を振っているだけだと考え、合図を止めようとはしなかったと捜査員は認識している、とアチアードは語った。アチアードは少女がジェスチャーを使ったことを褒め、この合図が広く知られるようになれば、被害者にとって有益なツールになるだろうと話した。
「警官として48年間働いてきたが、これほど役に立つものは、たぶん目にしたことがない」と言う。
すでに数百万人がTikTokやYouTubeでこの合図を扱った動画を見ており、世界銀行やウィメンズ・ファンディング・ネットワークといった組織も2020年4月から、この合図を広める活動を行っている。
これは新型コロナ禍の中、家庭内暴力や虐待にさらされている女性を救う取り組みとして始まったもので、ビデオ通話中にハンドサインを作り、自分が助けを必要としていることを加害者に気づかれないよう無言で知らせるといった使い方が想定されている。