面白いところでは、女性→男性で「容姿」を条件に挙げる比率が年々増えて77.1%、男性→女性では82.4%。従来は女性にのみ「容姿」が要求されると言われていましたが、ここまでくるとほぼお互いさま。いきなりイケメンや美人にはなれないので、男女を問わず身だしなみには気をつけましょう、としか言いようがないですね。
男の「身勝手」、女の「身勝手」
次にライフコースと照らし合わせると、女性で専業主婦を「理想のライフコース」と考えるのは2割前後で、1997年以降大きく変わりませんが、実際にどうなると思うかを聞いた「予定のライフコース」では、専業主婦は年々減少し、2010年には専業主婦になれると思う層が9.1%になっています。それに対して「中断再就職」は36.1%、「両立」は年々上昇し24.7%です。
つまり、男性も1割しか専業主婦を望んでおらず、女性も1割しかなれると思っていないということになり、利害は一致しているように思われます。そして双方とも相手に「家事の能力」「仕事への理解」を求めているのなら、なおのこと意見は一致していてハッピー!……にはならないですよね?
現実に男性が行う家事時間は、共働き世帯の男性が平均1日39分なのに対して、女性が4時間53分(『社会生活基本調査』2011年)。つまり男性側は「専業主婦は養えないから働いてほしいけど、自分は家事はできないから女性がちゃんとこなしてほしい」と言っていることになり、女性側は「専業主婦になんてなれないのだから、男性もちゃんと家事育児を分担し、私の仕事のことも理解してほしい」と主張しているのです。
男性側は女性に二重負担を要求し、女性側は自分も働くのだから男性に家事への参加を求めている。これはどう考えても、男性側の発想のほうが「身勝手」だと言わざるをえません。
「家のことはキチンとやったうえで働いてほしい」なんていう男性は、自分自身がそんなことをできると思っているのでしょうか? 高学歴の女性が相手探しに苦労するのは、まさにこうした性役割分業規範から抜け出せない男性が多すぎるからなのでしょう。自分だけの稼ぎでは食べていけないというのに。こんな無理な要求をするから、男性の生涯未婚率(約2割)は、女性の2倍もあるのかもしれません。
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