米政府当局は世界の原油市場が今後、供給過剰となり、来年初めまでに原油価格は下落すると予測した。バイデン政権が戦略石油備蓄(SPR)を放出する可能性があるとの見方に水を差した形だ。
来年2月までに1ガロン=3ドルを下回る見通し
米エネルギー情報局(EIA)が9日発表した短期エネルギー見通しによると、石油輸出国機構(OPEC)加盟国や米掘削業者による来年の供給拡大で最終的に原油価格に下向き圧力がかかる見通し。米国の指標となる原油価格は12月までに1バレル=80ドルを割り込んで、来年末までには62ドルまで下がり、世界的な指標である北海ブレント原油は2022年に平均72ドルが予測されている。米ガソリン小売価格は来年2月までに1ガロン=3ドルを下回る見通し。
EIAは「世界の原油在庫は22年に増加が始まる」と指摘。世界的な原油需要の伸び鈍化に加え、OPECと非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」と米国の増産が主因になるとした。
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