新生銀行のぬぐえぬ不安、外国人役員“追放”だが、新役員にも疑問符
新生銀行が経営陣を一新した。業績悪化を受けて、八城政基前社長(写真左)など旧経営陣が引責辞任。後任には、みずほコーポレート銀行常務などを歴任した当麻茂樹氏(写真右)が新社長に就いた。
新生銀行は経営破綻した旧日本長期信用銀行を引き継ぎ、2000年3月から営業を開始した。だがここ数年は業績が低迷し、直近の2期は連続して大赤字を計上。にもかかわらず、今回、退任した外国人役員は4人とも1億円以上の報酬を受け取っており、その厚遇ぶりが批判を浴びていた。
金融庁は6月30日に、新生銀行が「経営健全化計画」で設定した利益目標を大幅に下回っているとし、業務改善命令を出している。
6月23日の株主総会で当麻氏は、「(いすゞ自動車の役員として転出していたが)銀行員として思い残すことがあった」と、銀行経営に復帰する意気込みを語った。
「思い残すこと」とは、中堅・中小企業取引の基盤構築を指している。この分野は過去に、新生銀行が貸し剥がしによって自壊させてしまったビジネス領域でもある。
このため当麻氏を支える新経営陣の顔ぶれにも注目が集まった。だが役員人事をめぐり、新生銀行内部では戸惑いのムードが漂っている。
外部からは専務執行役員として3人を起用。旧長銀出身の管理部門担当は、羽毛布団会社の社長として再生を任されたが、今年3月末に倒産させている。