茶道を学ぶ人が和の伝統文化の本質に近づける訳 相手を「思いやり、もてなす」ことで見えてくる
海外では、自国の文化を語ることが、アイデンティティを語ることを意味します。そして、それが語れないと「教養がない」というように思われてしまいます。
一方、日本に来た外国人に「日本の伝統文化を教えてください」と尋ねられて、多くの日本人のビジネスパーソンはそれらの質問に答えることができません。日本では伝統文化を学ぶ機会が少なく、「和」の文化を説明できる人はあまりいないのかもしれません。
和を学ぶといっても、覚えなくてはならないことがたくさんあり、どこから手を付けてよいかわからない状況もあるかと思います。グローバル化もすすみ、自国の文化を発信しなくてはならない機会が増えているにも関わらず、それではビジネスパーソンも戸惑うばかりです。
茶道は「和」の総合伝統文化を表現
そういった人たちに知ってほしい伝統文化の1つが茶道です。拙著『世界のビジネスエリートが知っている 教養としての茶道』でも詳しく解説していますが、茶道は「和」の総合伝統文化を表現しているといわれているからです。
茶道を学ぶことはどのようなことなのか、簡単にご説明いたします。
お茶室に入りますと、床の間には掛け軸が掛けられています。
その多くは禅語で、その日のお茶会のテーマを表しています。禅語の掛軸は、禅の高僧が毛筆で書いた墨蹟で、お茶室の中では最も格式の高いものとされています。隣には花がいれられていることもあります。花は季節感を表し、余分なものをそぎ落として表現されています。それは華道の心を表現しています。
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