パラの魅力伝えた三上大進が語る「7本の指と私」 「できない」を否定せず、「できる」を互いに探す
パラリンピックの中継で見つけた気になる人
2020東京パラリンピックの中継を見ていて、レポーターのなかに気になる人を見つけた。サラサラのヘアに透き通るような美肌。そして、ちょっと、いや、かなりフェミニンな弾丸トーク。ときおり見せる笑顔がかわいい。丁寧に取材したのであろう選手ひとりひとりのエピソードを紹介するくだりでは、競技への深い理解ものぞかせて、元パラアスリートなのかな? と思った。
イヤだなと思ったのは、彼が障がい者なのか、見極めようとする自分がいたこと。身体のどこかにハンディキャップがあることを知ったからといって、彼の評価が変わるわけではないはずなのに。
彼に障がいがあるのか、ないのか――そんなことと関係なく、私の眼は彼に惹きつけられていたのに。
彼を何度かテレビ画面で見つめ、そのうちに私は彼の左手が右手より短いことを、そしてその指が人より少ないことを知った。
そして彼のTwitterプロフィールが「彼氏が欲しいギャル見習いのオカマ/セーラームーンになるのが将来の夢」であることも。なんなんだ、この人。要素が多すぎて混乱したけど、とにかく会ってみたい。パラリンピックも終わった現在、NHKでの任期をまっとうした三上大進さんに会うことができた。
正直、彼のインタビューをうまくまとめられる自信がない。というのは、話を聞いた私にとくに大きなハンディキャップがなく、またLGBTの当事者でもないからだ。彼のことを真に理解しているとは言えないだろう。でも、彼の言葉と笑顔に、きっと励まされる人がいるはずだ。そう信じて、彼の言葉を綴ってみたい。