環境問題が後押し、欧州「2大国際列車」の合併計画

ユーロスターとタリス、コロナ禍鎮静で再始動

英仏海峡トンネルを通って英国と欧州大陸を結ぶ高速列車「ユーロスター」(筆者撮影)

2019年9月、ヨーロッパの鉄道界に気になるニュースが流れた。

英仏海峡トンネルを通り、英国とヨーロッパ大陸を結ぶ国際列車として有名な「ユーロスター」と、フランス・ベルギー・ドイツ・オランダの4カ国を走る国際列車として知られる「タリス」の合併だ。

この計画は、両社の株主であるフランス国鉄(SNCF)とベルギー国鉄(SNCB)、ユーロスターの株主であるパティナ・レイル(Patina Rail LLP、英国政府が保有していた株を購入したカナダのケベック州投資信託銀行とエルメス・インフラストラクチャーによる合弁会社)によって進められていた。

当初は2020年4月を目指して進んでいたものの、コロナ禍によって計画は延期に。だが今年10月、再び動きがあった。合併が正式に決まれば、ブランド名は「ユーロスター」に統一され、「タリス」の名は姿を消す予定だ。

飛行機に代わる魅力的交通手段に

この合併話は「グリーン・スピード」という愛称の下、以下の5つの目的で2社を合併させようという計画だ。「グリーン」とは、もちろん環境に優しいという意味だ。

1:飛行機に代わる魅力的な交通手段を提供し、2030年までに年間3000万人の利用者を増やすこと
2:再生可能エネルギーを最大限に活用し、列車のエコドライブ、廃棄物管理、プラスチックの除去などに関する意欲的な環境政策を導入すること
3:1枚のチケットでネットワーク上のすべての旅程をカバーし、列車間の接続を改善することで、お客様にシームレスな旅を提供すること
4:魅力的な特典やお客様専用のロイヤリティプログラムを導入すること
5:高水準のサービス品質を提供すること
次ページ合併でコスト削減、車両は共通化せず
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