環境問題が後押し、欧州「2大国際列車」の合併計画 ユーロスターとタリス、コロナ禍鎮静で再始動

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しかし、コロナ禍による外出や移動制限で鉄道業界は大きなダメージを受けることになった。フランス国鉄は2020年上半期、TGV、タリス、ユーロスターを含む長距離旅客事業の運輸収入が2019年上半期の45億ユーロ(約5944億円)に対し、57%減の19億ユーロ(約2510億円)にとどまったと報告した。

疾走するユーロスター。コロナ禍で乗客数は最大99%減少した(筆者撮影)

中でもユーロスターは、英仏間の厳しい出入国規制による移動禁止が続くなど、コロナ禍の影響を非常に大きく受けており、12カ月以上にわたり1日わずか1往復だけに減便され、乗客数が最大で99%減少した。

危機的状況となった同社は英国政府へ財政支援を求めたが、英国に本社を置いているものの、株式の55%を保有する最大の株主がフランス国鉄で、ほかの株主もパティナ・レイル(カナダ)、ベルギー国鉄と純粋な英国企業ではないことから、再三の要請にもかかわらず政府は財政支援を拒否。同社は苦境に立たされることになった。

コロナ禍の状況変化で再浮上

その後、ワクチン接種が進んだことによるコロナ禍の鎮静化や、それに伴うEU圏内の移動制限が基本的に解除されたことで、乗客数は徐々に回復。現在はロンドン―パリ間で5往復、ロンドン―ブリュッセル間はアムステルダム行きを含めて3往復が運行されるまで回復し、経営もどうにか持ち直すことができた。

パリ―ブリュッセル―アムステルダム間を走るタリスの車両(筆者撮影)

そんな中、再びこの合併話に動きがあったのは、コネクティング・ヨーロッパ・エクスプレス(2021年10月16日付記事「36日間で欧州26カ国を走破した『特別列車』の使命」参照)がブリュッセルに到着した今年10月4日のことであった。

ベルギー国鉄CEOのデュトゥドワ氏は同日、合併に関わる各社の株主がこの合併に同意することが次のステップで、株主の同意により計画が進んだ場合、欧州委員会の承認がその次のステップになるとの見解を示した。

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