「日本のネット投票」実現が近いと断言できるワケ ハードルは「技術」や「既得権益」ではなかった
小林氏は「投票率の向上は、議会制民主主義が機能していくうえでも最も大切な要素の1つです。“より多くの民意を集めた”公平な選挙環境の実現のために、テクノロジーの力でなるべく早くネット投票を実現させたい」と、主義主張ではなく日本社会のために必要なことだと話す。
「在外邦人のネット投票実現から進めることを総務政務官時代に総務省として決定した。実現に向けマイナンバー法等の改正も行われたため、2024年参院選では海外転出者がマイナンバーカードを持ち、オンライン投票の環境が整う。来年の参院選には間に合わないが、オンライン投票の実例作ることで一般投票のオンライン化に向けての法整備を進められると考えている」(小林氏)
120万ある在外邦人票について問題が顕著化
同時に今回の衆院選で、現実的に”投票できない”選挙人が多数出ていることが、ネット投票を実現するための法整備を進める後押しになるとも意気込む。
「今回の選挙では解散から衆院選の公示までが短かったため、在外邦人に対しては郵送投票すら間に合わない地域もあった。120万ある在外邦人票について問題が顕著化したことで、ネット投票実現へのプロセスが早く進むきっかけになる」(小林氏)
マイナンバーカードが普及し、個人認証技術も進歩した現在ならば、現行法を改善する形で新しい仕組み、アイデアを実現することも可能だろう。投票率が高まるだけではなく、投票先の流動性も高まれば、自民党一強の時代にも変化が生まれるだろう。
しかし、それは古い仕組みに基づく思考で予想される結果でしかない。民主主義国家としての仕組みを現代社会にマッチしたものにDX(デジタルトランスフォーメーション)することで民意を反映すべきという意見が与野党ともに高まっている現在、前に進む道は見えてきたと言えるだろう。
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