ファミマ、王者のセブンに叩きつけた「挑戦状」 新PBでイメージ刷新と定番商品の強化を狙う

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ファミマルへのPB統合を機に、認知度アップを目指しイメージ挽回を図る。

そのために広告の打ち出し方を以前と変える。従来は店頭、ホームページ、決済アプリの「ファミペイ」、SNSなどの各媒体で、その時々に押し出す商品が異なることも多かった。結果として広告が散発的になり、十分な認知につながってこなかった。

複数あったPBを「ファミマル」に一本化し、訴求に力を入れていく(撮影:尾形文繁)

店頭での訴求も変える。これまではPBが複数あったうえに、商品カテゴリー別にきっちりブランドが分かれていたわけではなかった。それもあって売り場では、PB商品が「『面』として見えにくく、統一感もなかった」(足立氏)。今後は商品陳列で統一感を出していき、消費者への訴求を強める。

もちろんイメージ挽回は一朝一夕にはいかない。「繰り返し繰り返し、おいしくなったと伝えていく。イメージは何年かかけて変わっていくものだ」と足立氏は話す。そこまで力を入れる理由は、PBが「その会社の顔」であるとともに、安定した売り上げが見込める定番商品でもあるからだ。

「定番商品が弱いビジネスは弱い」

定番商品が強ければ強いほど、リピート客が増え店頭での廃棄ロスも少なくなることが期待できる。ファミマ加盟店のオーナーの1人は、「新商品の利益率はたしかに高い。だが定番商品がダメなら、そもそもお客さんの来店動機が弱いので新商品も売れない」と話す。

足立氏は就任直後から、マーケティングにおける定番商品の比重が低いことは課題だと認識。2021年3月には、菓子パンで定番中の定番ともいえるカレーパンとメロンパンをリニューアルした。食感などを見直すだけでなく、陳列棚で目立つように配置するなど訴求度を上げた。「定番商品が弱いビジネスはもれなく弱い。定番商品を強くするのは基本」と強調する。

足立氏を伴ってファミマルの発表会見に臨んだ細見研介社長は、「会社の顔であるPBを大々的に変えるということは、ファミマが変化し続けていくという意志表明」と語った。

今回のPB刷新を機に、売上高に占めるPB比率を現在の30%から2024年度までに35%以上まで引き上げる。わずか5ポイントともいえるが、ファミマとしては大きな変化になりそうだ。

東洋経済プラスでは以下の記事を無料の東洋経済ID登録でお読みいただけます。

伊藤忠「大エース」が担うファミマ改革

「ファミチキ超え商品」誕生秘話

ファミマが抱える2つの難題

ファミマと伊藤忠、一体化の強みとは?

中野 大樹 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

なかの たいじゅ / Taiju Nakano

大阪府出身。早稲田大学法学部卒。副専攻として同大学でジャーナリズムを修了。学生時代リユース業界専門新聞の「リサイクル通信」・地域メディアの「高田馬場新聞」で、リユース業界や地域の居酒屋を取材。無人島研究会に所属していた。趣味は飲み歩きと読書、アウトドア、離島。コンビニ業界を担当。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事