英語「on」を使い倒す為に覚えたい4つのイメージ 「前置詞=定訳ひとつ」から脱却するために

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onの基本イメージは“ステージ上”

a. Coffee is ready on the table.
コーヒーはテーブルの上に準備ができています。
b. He visited London on business.
彼は、仕事でロンドンに行きました。
c. He is on vacation / leave at the moment.
現在彼は休暇中です。
d. He passed the exam on his first try.
彼は最初のチャレンジで合格しました。
e. He has appeared on TV.
彼はテレビに出たことがあります。

a は「~の上に」、定訳通りの文ですが、日本語訳がまるで異なる b ~ e にも同じ意識が流れています。時間幅をもった期間・活動がある種の 「ステージ」と見なされているのです。

bはロンドン行きがbusiness という活動のステージ上行われたということですし、c は vacation(休暇)、 leave(育児休暇、介護休暇など、特別な事情で認められた休暇)のステージ上にいるということ。

d は最初のトライというステージで、e はテレビというステージに、といった具合にです。みなさんがよくご存じのon Sunday、on the 10th of October、on Christmas Eveなど、「日 の on」にも、ネイティブスピーカーの多くは同様のステージを連想しています。時刻のように「点」ではなく、ある時間幅をもった場所にいる感触がステージの on を呼び込んでいるのです。

(2) We play tennis on Sundays.
私たちは日曜日にテニスをします。

「ステージ」に慣れてくると、次のような使い方も射程に入ってきます。

(3) a. I wrote the report on a computer.
コンピューターでリポートを書きました。
b. He always composes songs on the piano.
彼はいつもピアノで歌を作曲します。

コンピューターやピアノが作業のベース、つまり「ステージ」です。 その上でリポートや曲が作られているのです。

先にお見せした写真Aを説明しましょう。アメリカの多くの州では赤信号でも右折ができますが、交差点によっては「赤信号時右折禁止」、それがこの標識です。ここで on が使われてるのは、やはりステージが意識されているから。赤信号というステージ(状況)では、曲がってはいけないということなのです。

「接触」イメージもonの得意分野

それでは基本イメージを離れ、位置関係が生み出すさまざまな解釈に解説を広げましょう。まずは「接触」。

a. There's a calendar on the wall.
壁にカレンダーがあります。
b. Please keep the admission card on you at all times.
入館証はいつでも身につけていてください。
c. On hearing the news, she fainted.
ニュースを聴くとすぐ、彼女は気絶しました。

接触は on の得意な領域です。カレンダーが壁にあるのも、「身につけている」のも接触。だから on が使われているのです。c は時間的な接触。
「ニュースを聞く」と「気絶」という2つの出来事の接触(~するとすぐ)を表しています。次は「線上」。線への接触を表すこの使い方も on の得意領域です。

次ページ「線上」のイメージから生まれる使い方
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