東京機械vsアジア開発、総会巡る司法判断の焦点 強烈な買収防衛策の是非を東京地裁が初判断へ
東京地裁に提出した書面で、東京機械はこれら3つのシナリオのほかに5とおりものケースを別途想定。無効とみなしたADCの集めた委任状のうち、白紙委任を「反対」とカウントしても、ADCが集めたすべての委任状を「反対」とみなしても、さらには損保ジャパンやみずほ銀行を除いても、賛成は過半を超えていたなどと主張している。
両社の結論が食い違っている要因は「信用買い」の扱いだ。ADCは信用買いを含めた全保有株を「反対」とし分母に加えているのに対し、東京機械のシナリオや想定ではADCが信用買いで取得した株の議決権を分母に含めていない。
東京機械の代理人、太田洋弁護士は「日本証券業協会は幻冬舎のMBOで問題になったことを受けて、議論の末、信用買いの分は議決権を行使すべきではない、と結論づけている」と指摘する。
現引取引後なら差し引く必要ナシ?
一方でADCの代理人、大塚和成弁護士は「日証協は、信用買いで株を貸している証券会社が行使すべきではないと言ったにすぎない。しかも今回の臨時総会の基準日は現引取引後であり、ADCの議決権から信用取引分を差し引く必要はないはず」と反論する。
「現引取引」とは、信用買いした株について、実物の株を受け取って信用取引を解消することだ。
東京機械が買収防衛策の導入を取締役会で決議した8月6日や発動を可能にした同30日には、まだ多くの信用買いが残っていた。だが、ADCは契約期限が到来した9月6日に現引取引をし、東京機械株を保有している。同6日は、臨時総会の議決権を確定する基準日である同14日よりも前だ。
買収防衛策の発動は、ADCの反対を含めても賛成多数だったのか、そうではないのか。10月29日午後の裁判所の判断には、多くの市場関係者の注目が集まっている。
デジタル特集「ファイナンス最前線」では、東京機械製作所、アジア開発キャピタルの両社長インタビューも配信しています。
アジア開発キャピタル社長
「こんなアンフェアがなぜまかり通るのか」
東京機械製作所社長
「強烈な策とは言えない、最高裁まで戦う」
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