東京機械vsアジア開発、総会巡る司法判断の焦点

強烈な買収防衛策の是非を東京地裁が初判断へ

10月22日午後1時に開会した東京機械製作所の臨時総会は5時間近くに及んだ(撮影:梅谷秀司)

約4割の株を有する筆頭株主の議決権行使が認められない――。過去に類を見ない強烈な買収防衛策の発動の是非をめぐり、東京地方裁判所が10月29日午後に初の判断を示す。防衛策発動の差し止め請求を受けたものだ。

東証1部上場の新聞輪転機メーカー、東京機械製作所は10月22日、臨時株主総会を開催。防衛策発動の是非を株主にはかった。この時、「議案の当事者」だからとして、同社株の約4割を握る東証2部上場の投資会社・アジア開発キャピタル(ADC)とその子会社(以下、2社を総称してADC)の議決権行使を認めなかった。

東京機械は「賛成多数で可決した」と宣言して臨時総会を閉会。しかしADCのアンセム・ウォン社長(36)は総会後、「われわれの議決権を含めないのはおかしい」としたうえで、「われわれを含めれば反対多数でわれわれの勝利だ」と宣言した。

29日午後に示される東京地裁の判断では、買収防衛策の発動が本当に可決したのか、それとも否決していたのかが最大の焦点だ。

会社公表は「8割近い賛成」

東京機械が導入した防衛策そのものは、ポイズンピルというありふれた手法だ。新株予約権を発行し全株主に無償で割り当てる一方、ADCについては「非適格者」とみなし、予約権を新株と交換する権利を行使できなくする。ADC以外の株主の予約権は強制的に新株と交換され、それに伴い、ADCの保有割合が自動的に下げられる仕組みだ。

このポイズンピルは、株主意思確認総会で過半数の賛同を得ることをトリガー(発動の条件)としている。東京機械が10月22日に臨時株主総会を開催したのはそのためだ。

東京機械は同22日、「原案どおり承認可決されました」と公表。同25日には、議決権数が賛成3万0022個、反対6794個、棄権1201個で賛成率は78.96%だったと公表した。

会社が公表した賛成率は78.96%(小数点第3位以下四捨五入)

分子:3万0022 …当日の賛成数
分母:3万0022 + 6794 + 1201 = 3万8017 …当日の賛成数+反対数+棄権数

 

ただしこれは、ADCの反対をカウントしていないうえでの「結果」だ。ADCが集めた委任状についても「無効」とし、カウントしていない。

裁判所の関心は「ADCの議決権を含めていたらどうだった」かにある。ADCを含めても賛成多数だったのなら、「賛成多数で可決した」という結論に変わりはないからだ。ところがADCを含めると反対多数ならば、ADCを除外したことの是非が問われる。

そこでADCは5つの場合わけをし、「いずれの場合も賛成は過半を超えない」との主張を展開、一方の東京機械は3つの”シナリオ”を示し、「どう転んでも賛成は過半を超えていた」としている。詳しく見ていこう。

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