東京機械vsアジア開発、総会巡る司法判断の焦点 強烈な買収防衛策の是非を東京地裁が初判断へ
以上、ADCの提示するいずれの場合も、賛成率は5割を下回る。だから「賛成多数」とは言えず、買収防衛策の発動を止めるべきだと、ADCは主張している。
一方、東京機械が東京地裁に提出した書面によれば、どんなに集計の仕方を変えても、株主の過半数が防衛策の発動に賛同しているという。
ADCと大きく異なるのは、ADCの議決権数のカウント方法だ。防衛策導入を取締役会で決定・公表した8月6日時点でADCが保有していた東京機械株は、関東財務局への届出ベースでは285万5900株だ。東京機械株の1単元は100株だから議決権は2万8559個となる。
東京機械は、このうち信用買いによる1万4359個は議決権がないと主張。この場合、賛成率は57.61%で、公表値より下がるが過半は超える。
ADCに「有利なシナリオ」でも賛成多数
ただ8月6日の防衛策導入時、ADCは、実際は東京機械株を議決権ベースで3万0302個保有していた。届出ベースよりも多いのは、取得から届出までにタイムラグが生じるからだ。仮にここから信用買い部分を除いた値で計算しても、賛成率57.93%。やはり過半を超えていると東京機械は主張する。
「さらに債権者ら(=ADC)に有利な別のシナリオ」(東京機械の提出書面)として、取締役会決議で防衛策の発動を可能にした8月30日の保有数を基にした賛成率も示している。
議決権行使を認めなかったADC分のうち、同日までにADCが保有していた議決権数3万4481個から信用買いの1万6201個を除いた議決権を加え、同じく行使を認めなかった東京機械取締役を分母に加える。この場合でも、賛成は53.45%で5割を超える。