「就職したばかりの女性たち」突然婚活に走る事情 コロナ禍で就職した女性たちが抱える不安

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そんなことですから、結婚観もぼんやりとしています。「年収何百万円以上じゃなきゃいやだ」といった条件もありません。美奈さん自身、2年目ですでに年収700~800万円もあり、同世代の2倍も3倍も高いのですが、そういったレベルもわからないんですね。社会を知らないから結婚相手を選ぶ基準もわからない。ただパーっと顔写真を見て、好きなタイプを選んでいます。

不思議なのは、感染対策のために出社禁止で極力外出は避けているものの、相談所のカウンセリングはリモートを希望せず会いたいと来ます。カウンセリングが「唯一の勉強の場」というんです。カウンセリングで「結婚ってこういうものだよ」「相手とはこういうふうにコミュニケーションを取るといいよ」などと、婚活を教えてもらうことで、「社会で生きている」という実感がわくそうです。

本来は職場で人間や社会を知ることになっていたはず。今や婚活現場で人間や社会を知る。おもしろい現象です。

同世代の相手は著しく少ない

コロナ禍で会社に行かないし、友だちとの飲み会もないので、出会いは自ずと少なくなります。それでも恋愛経験がある人は、婚活を始めたら比較的早く結婚します。相手の選び方のポイントがよくわかっているのでしょう。 ところが、恋愛経験がない人は八方ふさがり。コミュニケーションもうまく取れないので苦戦しています。そもそも誰を選んでいいのかわからないという人も多い。

結婚相談所に入会すれば、とりあえず若い女性ということでお見合いの申し込みは多数来ます。その多くは年上男性。結婚相談所を活用している男性は、彼女たちの同世代である20代は少ないんです。

20代で「結婚しよう」と考える男性は、そもそも学生時代からお付き合いしている女性と結婚するケースが多い。ほとんどは、30代になってようやく「落ち着こうかな」と相談所に入ってくる。そのため、20代女性は、30代かそれ以上の男性とお見合いする機会が多くなります。

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