メルセデスAMGに電動化は全く足かせじゃない訳 DNAと「らしさ」はエンジンでなくとも受け継げる

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このクルマは、イギリス・ブリックスワースにあるメルセデスAMG F1のパワーユニット開発チームが持つノウハウを活用した高度なバッテリー冷却システムを採用する。これにより電気モーターは、約95PSのパワーを常時発生でき、かつ最高出力の204PSを連続10秒間持続することができる。ちなみにこのクルマは静止状態から100km/hまでわずか2.9秒で到達。200km/hまでも10秒かからない。

非常に高度なハイブリッドパワートレインを使うF1が、内燃エンジンにとってはもちろん電動化コンポーネンツにとっても最高の実験・開発の場であることは想像のとおりだ。メルセデスAMGはF1参戦で培った技術を、こうして市販車にも転用し始めている。このブランドがF1に参戦することには意味があるんだとイメージとして納得させるし、実際の技術面でもそれを裏付けしているのだから、そうした絵が描けなかったホンダのF1撤退を考えるに、巧みだとしか言いようがない。

AMGは電動化を足かせと考えない

メルセデスAMGは電動化を足かせと考えず、プレミアム層へのアピールの手段として活用しようとしている。極端な話、今の手作業で組み付けられるV8ツインターボの役割を、緻密に制御された電気モーターのパワーとレスポンスに託したわけだ。もちろんカーボンニュートラルへの対応という側面もあるが、多くはメルセデス・ベンツに任せて、メルセデスAMGはパフォーマンスブランドとして一層の進化を目指している。

ヨーロッパにおいてクルマの電動化は、いつか来る恐れるべきものではなく、すでに今そこにある現実だ。ならば、それを目一杯活用して、いかにユーザーにアピールするプロダクトを作り出すかという考え方に欧州メーカー、特にプレミアムブランドはすでにシフトしている。そのしたたかさで、メルセデスAMGは電動化時代をサバイブしていくもくろみなのだ。

島下 泰久 モータージャーナリスト

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しました・やすひさ / Yasuhisa Shimashita

1972年生まれ。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。走行性能からブランド論まで守備範囲は広い。著書に『間違いだらけのクルマ選び』(草思社)。

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