今も残る「プロマイド専門店」が見たスターの素顔 2500人もの笑顔を捉えた「マルベル堂」の物語
「2500名以上のスターのなかで、一番最初に撮影した方は誰でしょう? これ、わからないだろうなぁ。栗島すみ子さんは日本映画草創期の大スターでした。小津安二郎監督や、成瀬巳喜男監督の作品に多く出演しており、『流れる』(成瀬巳喜男・1956年)ではちょっとハスキーな声で下町の料亭の女将役を好演しています」
昭和の大スターで一番多くプロマイドを撮ったのは?
「これもわからないかなぁ。実はね、美空ひばりさん(1937〜1989)なんです。彼女だけで1486種のプロマイドを撮影しています。晩年は歌手としての印象が強いでしょうが、実は約150本もの映画に出演している大スターでもあったんですね」
「そしてもちろんタフガイの愛称で活躍した日活のスターである石原裕次郎さん、2014年に惜しまれながら亡くなった高倉健さん、同じく菅原文太さんなどのプロマイドもたくさんあります。え、あんまり笑ってない? そうね。当時のプロマイドは役柄の扮装で撮影したものも多く、ちょっとクールにキメているのが多いかな。なかでも菅原文太さんはあまり笑わないので有名な方でした」
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