「処刑」だけではない、戦場記者の受難

ソーシャルメディアで戦場報道は変わった

NBCは、モヒェディン氏復帰の際、 声明を発表している。「モヒェディン記者は、過去17日間、ガザでの紛争が激しくなる中、25本ものリポートをものにしてきた類いまれな記者だ。その中には、かけがえのない、優れた記録となる4人のパレスチナ少年の死亡のリポートもある」。しかし、同時に紛争地における記者の配置は、常に見直しを行うと付け加えた。

モヒェディン記者のケースで問われているのは、アラビア語に達者で、2008年からガザ地区を取材してきたキャリアを持つ同記者が、放送されるテレビリポートになる前の生の映像によって、自分自身の率直な感想をソーシャルメディアに発信したことの妥当性だろう。モヒェディン記者はソーシャルメディアにシェアすることで世界にガザ住民の恐怖を伝え、市民を狙ったとしか思えないイスラエルに対する批判を暗に表現した。これがNBC内で問題視された可能性が大きいが、映像が「現実」を示しているというのも事実だ。

放送波に流れなかった映像を公表

もう一つのケースは、英公共放送「チャンネル4」のニュースキャスターによる、オンラインビデオの公開だ。ベテランジャーナリストでキャスターのジョン・スノー氏(66)は、ガザ地区での取材を終えて、英国に戻り、放送波には流れなかった映像とナレーションを編集した「ガザの子供たち」(約3分半)を同局公式サイトとYouTubeにあえて発表した。

「ガザ地区で私が見たものは、今でも私の頭を蝕んでいる。住民の平均年齢は17歳で、約25万人が10歳前後だ。病院で見た2歳半の女の子は、頭蓋骨と背骨、鼻の負傷で、両目の周りがパンダのように赤く腫れていた」(スノー氏)。

ビデオでは、女の子の目の周りは赤紫の円形に腫れ、目は直線でしかなく、まるで赤くなった「E.T.」の目のようにみえる。

ニュースを読むというキャスターの立場を離れ、スノー氏の語りは続く。「子供たちの死に関しては、私たちは何らかの責任を共有しているということを知るべきだ。このビデオを見てくれているということは、あなたが何かをしようとしている表れだ。このままでは、いいはずはない。力を合わせれば、変化を引き起こすことはできる」。

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